――ネットFXなど、便利なサービスが続々登場していますが初心者はどこに注目して取引会社を選べばよいのでしょうか?
会社選びのコツというより、その会社がお客様へどのような姿勢でサービスを提供しているのかを、しっかり見極めていただければと思います。たとえば信託保全にしているかどうか。信託保全事態は義務ではありませんし、法律上は分別管理を行っていればよいわけですが、会社側がコストをかけても、お客様へ倒産時のリスクを軽減させるという安心感を与えているわけです。
もちろんこれは一例でしかありませんが、コストをかけてもお客様の安心感を優先させるという会社側の姿勢、会社がどうあるべきなのかをきっちりと考えているかどうかが、重要になるのではないでしょうか。あとは、最低限の情報として財務状況をチェックしてみるのもいいかもしれません。財務状況の開示は必ず各社のサイトなどで開示されている情報ですので、自己資本比率などを確認してみてください。
――初心者がFXを行う際には、どんなところで情報収集を行えばよいですか?
取引を始められている方なら、各社のサイトで提供されている情報が利用できるかと思いますが、そのほかにも新聞の経済面や国際面にしっかり目を通していただければと思います。もちろん新聞に出てしまっている情報で取引したのでは遅いわけですが、少なくとも何が起きたために市場がどのように動いたかを確認することができるはずです。それにより、今後同じような展開になった時などに、自分がどのように売買すればよいのかが把握できるようになり、初心者の方の経験につながっていくのではないかと考えます。
――実際に取引を行う際に、気をつけなければならない注意点などがあれば教えてください。
取引を行われる際、私が初心者の方に必ず守ってほしいルールは、「ストップロス注文」を置いていただくことです。このストップロス注文とは、万が一の事態が起こった時のために、ここまでなら損しても仕方ないと思える範囲で損失額を確定させる注文のことです。
最初に説明させていただいたように、為替相場では何が起こるかわかりません。極端なことを言うとテロや戦争のような不測の事態も考えられるわけです。また、銀行で外国為替取引を専門にしているようなプロであっても、予測の的中率は6-7割と言われています。予想外の事態や思惑と逆に相場が進んでいくような状況において、少しでも損失を軽減させるためにもストップを置くことが重要になるわけです。
――最後に、これからFXをはじめようとする方々に山岡さんからアドバイス&メッセージをお願いします。
FXは、「1ドル=○○円」というように、ニュースや新聞などを通して簡単に情報が入手でき、政治や経済など日常に直結している商品だと言うことができます。つまり、それほど特殊でも、難しい商品でもないわけです。円安になったからブランド品が高くなったとか、円高になったからから海外旅行がお徳と言った具合に、消費者の生活にとても密着しているものですので、教養を高めていきながら、投資に役立てることができます。ですから、頭ごなしに難しいものだと考えず、肩肘をはらずに、ちょっと見てみよう……、ちょっとやってみよう……、という感じで始めていただいてもいいかもしれません。
もちろん初心者の方が、レバレッジを高くしすぎて、ギャンブル的な手法で取引されるのは絶対におすすめできません。少額から始めることのできる商品ですので、慣れるまでは少額で、その後少しずつ増やしていくような感じでやっていかれるのが、一番理想的なのではないでしょうか。
――ありがとうございました。