ブリティッシュ・エアウェイズ(以下BA)は、東京、六本木ヒルズクラブにおいて新「クラブ・ワールド」シート発表会を開催した。新「クラブ・ワールド」シートは、同社のビジネスクラス「クラブ・ワールド」に新たに搭載されたもので、すでに2007年9月より東京 - ロンドン路線に順次導入されている。

東京・六本木「六本木ヒルズクラブ」で開催された発表会において、同社ウィリー・ウォルシュCEOは、「BAは2000年、世界で初めてフルフラットシートをビジネスクラスに導入しましたが、新クラブ・ワールドにはそれ以来最大となる、約1億ポンド(230億円)を投資しています。これによりクラブ・ワールドの総座席数を434席増やしました。これはBAの総座席数の8%に相当し、大きな増加となっています。現在では東京 - ロンドン間の全フライトでこのサービスを提供しています」と紹介し、新「クラブ・ワールド」に対する並々ならぬ意気込みを語った。

ブリティッシュ・エアウェイズ ウィリー・ウォルシュCEO

新「クラブ・ワールド」シートの快適さを説明

新「クラブ・ワールド」シートは、同社とNASA(アメリカ宇宙局)が共同開発したリクライニングポジション「Zポジション」を採用している。Zポジションとは、上体が軽く起き、ひざが軽く曲がるリクライニング姿勢で、無重力状態の際に人間の体が自然にとる体勢だとしている。シート幅は従来のシートより25%広い64cmに拡大し、隣席を仕切るスクリーンが高くすることで、機内でのプライベート空間を確保に努めている。

新「クラブ・ワールド」シート。ゆったりとしたシート幅が確認できる

また、スクリーンには「ルミスティ」という最新技術を使用。これは見る角度によって透明度が変わるガラスで、乗客の目線では曇りガラスだが、立ち上がっているキャビンアテンダントの目線からは透明で、窓側のシートの乗客の手元が見えるという。この導入によりプライバシーに配慮しつつ、アテンダントが乗客の世話をしやすくしている。さらに、足元にはラップトップコンピュータを収納できるサイズのロッカーを装備するなど、さまざまな新機能が搭載されている。

隣席との間を仕切るスクリーンは、日本メーカー開発による最新技術「ルミスティ」を起用。見る角度で透明度が変わる

内側から仕切りのスクリーンを見た場合

実際にシートに座ってみると、見た目もさることながら、それ以上にシートの幅があり、足元のスペースも十分にとられてゆったりとしていた。シートはボタンひとつでポジションが変更できるので、自慢のZポジションは姿勢に無理がなく、頭、肩、背中、腰にカラダの重みが均等にかかって、どこにも負担を感じさせなかった。また、11月28日~30日に丸の内ビルディングにて行われている新「クラブ・ワールド」シートの体験コーナーでも、シートを試した人からは「背中に負担がない」「予想以上に快適」といった声が聞こえ、同シートの評判は高いとしている。

フル・フラット時のシートの長さは180cm(Zポジションの場合は201cmまで伸びる)

機内エンターテインメントはオンデマンド方式で、100タイトルの映画・TV番組が視聴できる

その他、発表会では「クラブ・ワールド体験は機内だけのものではありません。ご搭乗される前にわが社のウェブサイトba.comで多くのサービスが利用できますし、空港内ラウンジでは快適なサービスを楽しんでいただけると思います。またご到着後、われわれのターミナルでスパもご利用になれます。さらに2008年3月27日より、ロンドン・ヒースロー空港にわれわれの専用ターミナルT5がオープンし、さらなるサービスの向上を図る予定です」(ウィリー・ウォルシュ)とし、BAの今後の取り組みをアピールしていた。