――どのようにして切り絵をお作りになってらっしゃるのか、教えていただけますか。

「あくまで僕がやっている作り方なんですが、まず、紙に鉛筆で下書きをします。次にペン入れをして、白い部分と黒い部分のそれぞれの割り合いとか、どうつながるかとかあたりをつけて、ほぼ完成形に近い下絵を描きます」

――ここまでは、いわゆる漫画家の方が原稿用紙に漫画を描くのと同じ要領ですね。

「ええ。その後、その下絵の紙を黒い紙の上に重ねて仮貼りして、2枚いっぺんに切り抜いてしまいます。切り終わったら下絵の紙は捨ててしまって、残った黒い紙のほうをべつの白い紙の上に重ねて貼り付けてできあがりです」

氏の周りには、個展「まちのおおねずみ」に出展した作品がびっしり

――作品によっては着色されているものもありますが。

「色に関しては、イメージどおりの色を出すのにPCを使っています。できあがった白黒の絵を取り込んで、PC上で色を着けていきます」

――そのプロセスは、デジタルで処理なさるわけですね。

「そうです。ただし、あまりデジタルっぽくならないように、和紙などを取り込んだのを合わせて使ったりしています。PC上で貼り絵のようなことをやったり……」

――和紙の素材の質感みたいなものも……。

「取り入れていますね」

――そういった切り絵の技法について、ワークショップもおやりになってらっしゃるということですが。

「ええ、切り絵の作り方を教えるワークショップをやっています。月1回、ご高齢の方を対象として、デイケアハウスに出向いて1時間ほどかけ、簡単な切り絵を作っていただくというものです」

――切り絵の作り方を説明した上で、その場で作っていただくと……。

「はい。あらかじめ裏に線が描いてある紙を使って、単純な丸とか三角とかの図形を切り抜いていくと作品ができあがります。季節ごとのモチーフを用意して、やっていただいています」

きりえ作製セット「きってみよう はってみよう」。切り絵の作り方
(C)KIRIEYA

kit-3「メリークリスマス」(15cm角用紙10枚入り)。定価500円。クリスマスもの10種類のセット
難易度: ★★~★★★
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kit-7「ファントムさんたち」(15cm角用紙10枚入り)。定価500円。ハロウィンにあらわれるまぼろしのかいぶつたち10種類のセット
難易度: ★★★~★★★★
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