多様化するライフスタイルをガッチリ把握

同じ作品をDVDと見比べると、やはり画質は落ちるし、色味(彩度)もやや落ちている。もちろん、本当に高画質な映像と迫力の音響を楽しみたいのなら、パソコンでなく大画面テレビやホームシアターシステムを使う方がふさわしい。しかし、このサービスがターゲットにしているのは、そこではないのだ。

このサービスは、テレビではなくインターネットの延長線上にある。家にテレビが無くパソコンひとつで事が足りているという人が、最近少なくないのではないだろうか。一方で、ブロードバンド回線を使ったテレビ向けのVODサービスも増えてきている。ライフスタイルの多様化に合わせるようにメディアも多様化している。ブロードバンド時代の本命とされてきた動画配信サービスだが、その本命は1つではなく様々な姿を持つものとなっている。このサービスも、明確なセールスポイントを持ってそこに加わったというわけだ。

優等生が社会に出て何を学ぶのか、のようなこと

現在、同サービスでラインアップされているタイトル数はまだ多くないが、今後は常時400本程度、年間約600本の作品を提供していく予定だという。サービス内容や扱うタイトルなどは、ユーザーの声を取り入れて検討していきたいとしている。ハリウッド作品だけでなく、近年盛り上がりを見せている邦画やレンタル店で探しにくい単館系の作品などもぜひ扱ってほしい。

またこのサイト自体について、現状では作品が並んでいるだけで、ユーザーの「見たい!」という気持ちをぐっと惹きつける仕掛けは少ない。優等生だが素っ気ない友人のようだ。優秀であっても、実力を活かせるかどうかはその人柄に懸かっていることがよくある。 レンタル店などでは、POPやフライヤーなどを使って作品を知らない人にも興味をもってもらうよう販促を行っている。このサイトでも同様のPRはできるだろうし、さらにインターネットの延長上にあるサービスならではの+αも可能だろう。

ひっそりと始まった、しかし超王道たるポテンシャルを持つこのサイト。今後、サービスとしてどのように進化するのか興味深い。