――ほかにこの商品の特徴を教えていただけますか。

「ヒロインがブレスレットを身に着けているんですが、その中に変身用のスーツが小さくなった状態のものが入っていて、それがこの商品をそのまま使ってるんですね」

――じゃあ、撮影用の小道具としても使われているということですね。

「プロップでもあるし、キャラクター商品でもあると」

――彼女たちが変身するときは、その小さくなっているスーツが出てきて……。

「それが大きくなって、着込んで変身します」

――普通は、撮影に使っている小道具・プロップがまずあって、それを商品化するときには、その劇中に登場するものと極力近い商品を開発するわけですが、この商品の場合は商品そのものがプロップというわけですね。

「もともと企画段階からそういう話があったので、プロップとしてそのまま使ってもらって、設定としても活かしてもらって、単にキャラクターを作って売るというだけでなく、よりおもしろい方向へもっていこうということなんです」

――これ、みんなが好きな要素が3つ入ってるんですよね。

「アイドルと特撮とミクロマン。一粒で3度おいしいというね」

――ミクロマンの売り方としては、珍しい形ですよね。

「ミクロマン自体をこういうふうに、DVDとセットで売るのは初めてですね。そういう意味では僕らもチャレンジ商品ではあるので、どれぐらい売れるのかな? っていうのも、ちょっと楽しみにやってるところですね」

――この商品自体は、従来からあるミクロマンの路線を踏襲しているわけですね。

「はい。オリジナルのミクロマンがもっているイメージですね。30年前からあるクリアボディにメッキの顔という、ミクロマンのアイデンティティを継承した形で商品化しています」

――先ほどからお話に出ていますが、ガイナックスさんもそうだし『ヴェッカー』シリーズの畑澤監督もそうだし、ミクロマンはもう30年もやっている。歴史があるから、ほうぼうにファンがいらして、そういう意味では仕事を進めやすい部分もあるんじゃないでしょうか。

「そういう第一線でご活躍の方々からお話をいただけるのは、とても幸せなことだと思いますね。ヘタすると僕らよりも、そういった方たちのほうがよく知っていたり、こだわりがあったりするんですよね」

――大変ヒットした商品なわけですからね。

「30年前から数えて、もう400~500体出てるんですよね。ファンが非常に多いんですよ。あの頃、ちょうど過渡期でですね、テレビのヒーローもののオモチャである超合金とミクロマンとに分かれていた時期でした。『機動戦士ガンダム』の前ですね。アニメとオモチャが融合する、ちょっと手前の時代の商品群なんですよ。ですからハマった人は多いハズなんです。昔、オモチャを買うとき、『何買おう?』っていったら『ミクロマン』て言っていた人たちが30代ぐらいに多くて、そういう人たちが今いろんなところにいらっしゃる。雑誌編集者とかもそうですし、いろんな方が『ミクロマンを持ってたよ』『好きだったよ』って言ってくださる。そういう時代なのかな、と思ってます。その頃の男の子は、みんなミクロマンを持ってた。そういう1つのムーブメントを起こした時代だった、そんな気がしますね。ガンプラ世代は、みんなガンプラを持っていたし、それと同じでミクロマンも子どもたちが買っていたんで、必ずと言っていいほど持っていたし」

――ミクロマン世代みたいなものが、あるんでしょうか。

「ありますね。多分、今の30代中ごろから後半ぐらいの方は、ミクロマンエイジなんでしょうね。そういう意味では、ミクロマンはいろんな人たちに支持されてますし、我々もそれに誇りをもって商品展開をしていこうと思ってます。『時空警察ヴェッカーシグナ』も、そのミクロマンに対する1つのリスペクトなんでしょうね。ミクロマン好きな人が『オレ・ミクロマン』の設定を作って、それを映像化して、さらに商品化するみたいな。そういうお互いのミクロマンに対する気持ちみたいなものが伝わって、商品化、映像化になったのかな、と思いますね」

――本日は、楽しいお話をどうもありがとうございました。