マツダは、帝人、帝人ファイバーと共同で、自動車内装表皮に使用できる品質と耐久性を持ち、石油資源を原料としてまったく含まない植物由来100%の繊維を使用した自動車内装用バイオファブリックの開発に、世界で初めて成功したと発表した。このバイオファブリックは、来月開催される第40回東京モーターショー2007にも参考出品される。

バイオファブリック(自動車用シート)

バイオファブリックの原材料と中間素材

新開発のバイオファブリックは、原料樹脂の分子構造を制御することで繊維の強度を高め、シート表皮に適用可能な耐摩耗性、耐光性を確保した。これにより自動車用途に耐えうるポリ乳酸(乳酸を結合させて作るプラスチック)100%の繊維の製造が可能となった。

この新しいバイオファブリックは、中四国地方に研究開発と繊維製造の拠点を持つ、帝人、帝人ファイバーと共同で開発。さらにマツダが関係協力企業と長年蓄積してきた表面処理技術を適用することで難燃性などの品質性能を確保した。

マツダの金井誠太取締役専務執行役員(研究開発担当)は、「マツダの地元の技術力を結集してバイオファブリックを開発することができた。石油資源を原料としてまったく含まない素材を作ることが可能なこの技術は、環境負荷の低減に向けて大きな礎となると確信している。今後も環境に優しいクルマ社会を実現するため、地域と共に研究開発を進めていきたい」と語った。

マツダは、これらの植物由来材料を「マツダ バイオテックマテリアル(Mazda Biotechmaterial) 」というブランドネームで総称。さらにこのバイオ技術をベースに、食料との競合なども勘案した非食物原料での研究開発も強化していくという。