長年に渡り、トップアクションスターの地位に君臨するジャッキー・チェン。ハリウッドへ進出して世界のジャッキーとなっても、その体当たりのスタント・アクションや親しみやすいコミカルな演技は不変のままだ。

現在、最新作『ラッシュアワー3』が公開中だが、やはりジャッキーの原点と言えば、その切れ味は鋭くもコミカルなカンフー・アクション。そんなジャッキーの原点に触れる事のできる作品『酔拳 日本語吹替収録版』のDVDが発売された。

今回のDVDはなぜ"特別"なのか

『酔拳』は1978年公開作品で、初めて日本公開されたジャッキー・チェンの主演映画としても有名だ。勿論、これまでにも何度かDVD化されている。ただ、今回のDVDリリースは、日本のジャッキーファンにとっては、特別な意味がある。日本語吹替版がこれまでの作品とは違うのだ。長年のジャッキーファンにとって、ジャッキーの声としてもっともお馴染みなのが、声優の石丸博也が吹替を担当した日本語バージョンだろう。

当時テレビ放送されていたジャッキー・チェン出演映画において、ジャッキーの吹替を担当していたのが石丸氏。石丸氏は、『酔拳』以外にも『キャノンボール』、『五福星』、『プロジェクトA』『ポリスストーリー』、『ラッシュアワー』シリーズなど、ほとんどのジャッキー作品において吹替を担当している。日本のファンにとって、ジャッキーの肉声以上にジャッキーの声として認知されているのは、石丸博也の声なのだ。

テレビ放送時の石丸吹替バージョンのマスターテープが長年行方不明になっていたという事情もあり、これまで石丸吹替バージョンの『酔拳』を鑑賞することは不可能だった。しかしこの度、ようやく発見されたマスターテープを元に、ついに正式な『酔拳 日本語吹替収録版』としてリリースされたのだ。

それまで拳法を扱う香港映画の基本だった「仇討ち」や「復讐のために殺す」といったシリアスな要素がない本作。当時としては、そのコミカルな設定自体斬新だった