キーボード弾き語りシンガーソングライター・奥華子。彼女のまっすぐに澄んだ歌声は「TEPCOひかり」などのCMソングですっかりお茶の間に広まった。3月21日に2ndアルバム『TIME NOTE』(ポニーキャニオン)を発表した彼女に自身のルーツ、音楽へかける姿勢を聞いた。

奥華子の原点

「好きな色は赤と黄色」というだけあり、インタビューの日は赤いTシャツに黄色いリュックで登場

――トレードマークの赤ぶちメガネをかけはじめたきっかけは?
「わたしは顔が地味なので、印象に残りにくいんです。でも、これをかけて路上ライブをやったら、CDがいきなり100枚売れたんです。いつもは30枚くらいなのに。たまたまかもしれないけど、『赤メガネはラッキーアイテムだ!』と思って、それ以来ずっとかけています」

――メジャーデビュー後も路上ライブを続けているそうですが。
「今でも時間を見つけてやっています。私の原点だから、できなくなるまでやり続けたい」

――奥華子が路上で歌っていたら、みんなビックリしますよ!?
「そんなことないですよ。このあいだなんて『頑張ってメジャーデビューしてください』って言われましたもん(笑)。まだまだだなーって思います。」

――声を聞けば、誰だかわかるのに
「関東圏はTEPCOひかりのCMソングを歌うと、わかってもらえますね。実はこの間、関東の某所で思い立って路上ライブをやったんですよ。で、帰る支度をしていたら酔っ払った人が『歌ってよ~』って近寄ってきて、歌わないわけにいかない雰囲気だったから、ヨシ、TEPCOひかりなら15秒で短い。これでいこう! と。そしたら、『お、知ってる、知ってる!』って凄く喜んでくれて、CD全部買ってくれたんですよー。ただ、買っていただいたCDにはTEPCOひかりのCMソングは入ってないんですけど……(笑)」

2ndアルバムは『TIME NOTE』

セカンドアルバム『TIME NOTE』。こちらは初回限定版のジャケット

――2ndアルバムのタイトル『TIME NOTE』のタイトルは自身でつけたとか?
「はい。"NOTE"は音、音符という意味もあるんです。だから、いろんな時間を切り取った音楽、という意味をこめました。響きもいいので、気に入っています」

――どんな内容のアルバムですか?
「写真のアルバムをめくっていくような、思い出や記憶、青春時代が刻まれている曲が多く入っています。キーボード弾き語りがベースのシンプルな音作りで、色々な恋愛の形を描いていて、じっくりと聴いて頂けるアルバムになったと思います」

――曲作りの苦労は?
「締め切りがないと作れないんですよ。追い込まれないと出来ないタイプなんです」

――子供の頃、夏休みの宿題は最後のまでやらなかった人?
「そう! 最後の日に全部まとめてやりました(笑)! それでなんとかなってきた人生というか」

――曲はどんな風に作るんですか?
「大体サビのメロディが先に浮かぶんです。そこに合う言葉を探していって、全体のイメージを膨らませていきます。歌詞は何度も直すので、ファミレスなどで書いたりもします。行き詰ると路上ライブをやって、お客さんに聞いてもらって反応を見て、また書く。レコーディングでも同じです。歌えなくなったら路上ライブ行って……って、その繰り返しです」