お客さんの反応が私を育てている。ひとりよがり過ぎてはダメ
――どうしてそこまで路上にこだわるの?
「路上って誰がいるのかがわからないじゃないですか。私に興味のない人、知らない人がたくさんいる。そういう不特定多数の人たちに聞いてもらって、反応をいただくことが大事ですね。私の歌を聴いて感動してくれた人を見て私はパワーをもらっているので、その皆さんの反応に私も曲も育ててもらっていると思っています。篭ってしまったら、ダメ。ひとりよがりになり過ぎたらいいものができないんですよね。今回のレコーディングでも、途中で思うように歌えなくなってしまって……そんな日が一週間ぐらい続いたので思い切って路上ライブをやってみたら、ストンと吹っ切れたんです。もっと早く路上やっとけばよかったなーと(笑)」
――じゃあ、次のアルバム作りの途中に路上ライブは必須ですね。
「そうですね、次のアルバムは路上ライブをやりながらレコーディングすることに決まりました!」
――でも、それは大変なのでは?
「わたしの中にそうした方がいいアルバムができるって手ごたえがあるから大丈夫だと思います。ある意味、これが理想的なカタチだと思っています」
――体力的にハードですが自信のほどは?
「結構、食べるほうなので大丈夫だと思いますよ。大好きな麻婆豆腐をご飯にたっぷりかけて食べたり。あとはイモとか麺類とか……。炭水化物、最高ですよ(笑)!! 」
女優・奥華子?
――今度は音楽以外のフィールドにも挑戦するとうかがったのですが
「連続ドラマ『ユキポンのお仕事』(テレビ東京系・毎週日曜26:30)で音楽をやらせていただいています。CMソングのような短いテーマソングから劇中のサウンドトラックなど、パソコンに打ち込んで仕上げました。実はドラマの中で、チョイ役も頂いて演技もしたんですよ」
――女優デビューですね!
「いやいや、大げさな(笑)。ウエイトレス役になって『いらっしゃいませ』って、台詞が3つでほんのちょっと出させて頂きました。すっごく楽しかったけど緊張しましたねー。ライブとは違う独特な緊張。やっぱり私は歌っているほうがいいな」
原点は路上ライブ。どれだけ有名になったとしても、ずっと続けたいそうだ。もし、メジャーになり過ぎて日本で歌えなくなっても、彼女は地球上のどこかで路上ライブを続けることだろう。もちろん、キーボードを抱えて。
奥華子
1978年3月20日生まれ 千葉県出身 5歳からピアノを習い、音大の器楽科に進学。曲作りやライブを精力的に行っていた2004年10月、東京電力「TEPCOひかり」のCMソングを手がけ、注目を集める。2005年7月に「やさしい花」でポニーキャニオンよりメジャーデビューし、2006年3月に1stアルバム「やさしい花の咲く場所」を、今年3月21日にはセカンドアルバム『TIME NOTE』をリリース。シングル「ガーネット」が劇場版アニメーション『時をかける少女』の主題歌になったことも記憶に新しい。
4月21日には渋谷C.C.Lemonホールにて「奥華子2007春コンサート~TIME NOTE~」を行う(チケットは即日SOLD OUT)。また現在、「全国桜前線無料ライブツアー」と称して全国行脚中。詳細なスケジュールは公式サイトを参照のこと。