この半導体ニュースのまとめ
・Yole Groupが2025年のパワー半導体メーカー売上高トップ20を発表、日本勢は5社がランクイン
・トップはInfineon Technologiesで、中国勢も5社が入り、SiCやEV向けなどで存在感を拡大
・パワーエレクトロニクス市場は2031年に413億ドル規模へ成長し、SiC/GaNが市場全体の31%を占める見通し
Yole Groupは、調査レポート「Status of the Power Electronics Industry 2026」の発行に併せる形で2025年のパワー半導体メーカー売上高トップ20を発表した。
それによると上位20社を国・地域別でみると米国6社、日本5社、中国5社、欧州4社となる。トップはInfineon Technologiesで幅広いポートフォリオを背景に圧倒的な強さを見せており、4位の三菱電機、5位の富士電機、6位の東芝、8位のローム、14位のルネサス エレクトロニクスという日本勢5社が売上高を合算しても追いつかない規模となっている。
中国勢の伸張に注目
中国勢は9位、10位、11位、13位、20位とそこまで順位は高くないが、中国内の需要を後押しにSiCウェハ、電気自動車(EV)向けパワーエレクトロニクス、産業用パワーモジュールなどの分野でシェアを拡大させており、今後も新興企業がランキング上位にエントリしてくる可能性があり、Yoleのパワー半導体アナリストも、パワーエレクトロニクスのバリューチェーン全体における中国企業が存在感を高めている点が注目されるとしている。
2031年に413億ドル規模に、年平均7.1%で成長
世界のパワーエレクトロニクス市場は、2025年から2031年にかけて年平均成長率(CAGR)7.1%で成長し、2031年には413億ドル規模に達することが予想されるという。中でもEVがもっとも成長が期待されており、2025年のシェア25%から2031年には32%まで拡大することが見込まれている。
パワーエレクトロニクス技術の動向
パワーエレクトロニクス業界は、長年の急速な拡大を経て、統合期に入りつつあり、最新の技術革新よりも、最先端製品、顧客獲得、販売実行に重点が置かれるようになっている。
また、SiCおよびGaNデバイスは市場を拡大しており、自動車、再生可能エネルギー、AIデータセンターなどが高電圧化をけん引する形で、2031年までに合わせて市場全体の31%のシェアを獲得すると予測されている。
デバイス種別で見ると、シリコンMOSFETとIGBTは、コスト、技術成熟度、信頼性、幅広いエコシステムを背景に主流アプリケーションを中心に高いシェアを維持し続けることが見込まれる。SiCについては、EVの800V対応が推進役だが、SiCの過剰な生産能力とサプライチェーン全体にわたる強い価格圧力が生じており、焦点はデータセンターなどの高付加価値アプリケーション、ならびに8インチウェハへの移行に移りつつある。
SiCよりも下の電圧をターゲットとするGaNは、急速充電器を中心に普及が進む。また、データセンターや自動車などの高出力用途も狙いつつあるが、信頼性、エコシステムの成熟度、入手可能性などを背景に採用は限定的とする。
こうしたデバイス側の状況にあって、イノベーションの焦点は熱管理と高度なパッケージングへと移行しつつある。パッケージングのトレンドとしては、上面冷却と両面冷却、銅クリップ相互接続、銀焼結、低インダクタンスモジュールレイアウト、埋め込みダイパッケージングなどが挙げられ、チップから熱を効率的に放散する方法が重要になりつつあるという。



