この半導体ニュースのまとめ

・Omdiaは2026年第2四半期の半導体市場が前四半期比24%増の3940億ドルになると予測
・メモリ価格高騰が市場を押し上げる一方、スマートフォンの出荷は前年同期比4%減、PCの出荷も3.6%減
・パッケージングや電力供給、熱管理が新たな供給制約要因となりつつある

Omdiaの半導体担当シニアディレクタのマーク・ワトソン氏が、ニューズレター形式で、同社顧客に2026年第2四半期の半導体市場予測を伝えた。

それによると、2026年第2四半期の半導体市場規模は前四半期比24%増の3940億ドルの見込みで、2026年上半期としては7000億ドルを超える見込みだという。半導体メモリが最大の成長の原動力であり、2026年通期のNAND売上高は前年比約400%増の3600億ドルに達する見込みだという。

価格決定力は主要サプライヤ側にあるとするが、その一方で半導体業界の課題が、前工程の製造能力ではなく、パッケージングの生産能力や電力供給、熱管理といった部分が新たな制約要因となってきており、サプライチェーンにおけるパートナーシップが競争要因となってきていると指摘している。

また、メモリサプライヤがAI向け製品の生産に注力しているため、AI以外のメモリの不足が生じ、価格高騰が続いている。結果としてスマートフォン(スマホ)やPCの値上げにつながり、消費者の買い控えを招き、市場に停滞が生じている。

2026年第2四半期のスマホ出荷台数は前年同期比4%減

同社の最新調査によると、こうしたメモリ急騰の影響を受けて同四半期のスマホ出荷台数は前年同期比4%減となったという。市場は二極化が進んでおり、ベンダ各社の戦略も、優先順位、規模、価格帯、主要顧客層の違いで異なりを見せているという。

  • 四半期ごとのスマホ出荷台数推移(単位:百万台)

    四半期ごとのスマホ出荷台数推移(単位:百万台) (出所:Omdia)

そうした中にあってSamsung Electronics(サムスン)とAppleは出荷台数を伸ばしており、市場シェアをサムスンが同2ポイント増の22%、Appleが同4ポイント増の20%まで伸ばしたという。

サムスンはGalaxy S26シリーズの発売延期により、プレミアムセグメントの需要の一部が同四半期に持ち越されたのと同時に、中国勢が製品ラインの削減や端末販売価格の引き上げを行ったことが背景にある。一方のAppleも同四半期に端末価格を据え置いたことが功を奏したとみられるが、最終的に値上げを行ったことで、今後の影響がどの程度になるのかが注目される。

  • スマホベンダ上位5社の出荷台数推移

    スマホベンダ上位5社の出荷台数推移 (出所:Omdia)

PCの出荷台数は3.6%減

また、同四半期のデスクトップPC、ノートPC、ワークステーションの合計出荷台数は同3.6%減の6570万台となったという。デスクトップ(ワークステーション含む)の出荷台数は同1.3%減の1390万台、ノートPC(モバイルワークステーション含む)の出荷台数は同4.2%減の5170万台となった。

  • 四半期ごとのデスクトップ/ノートPCの出荷台数推移

    四半期ごとのデスクトップ/ノートPCの出荷台数推移 (出所:Omdia)

メモリやストレージ価格の上昇が続くと見た消費者や企業がPC調達時期の前倒しを実施したことで、販売量はある程度の水準を維持したが、今後の景気後退リスクが依然として残されているとする。

  • PCの価格上昇による顧客の購買意欲の変化

    PCの価格上昇による顧客の購買意欲の変化 (出所:Omdia)

メモリとストレージのコスト上昇ペースは2026年下半期に鈍化することが予測されているものの、PCの販売価格は部品価格の高騰の影響を受け続ける見込みである。Omdiaの調査では、メモリとストレージの価格は今年中に反転する見込みはなく、積層セラミックコンデンサ(MLCC)やプリント基板(PCB)などの値上がりも生じており、PCベンダはそうしたコスト負担を顧客へ転嫁することとなるため、下半期の需要は抑制されるとOmdiaは予想している。