この半導体ニュースのまとめ
・三菱電機がSemikron Danfossと新標準パッケージを共同開発
・3レベル回路内蔵でインバーターの高効率化に貢献
・パワーモジュールの設計共通化
三菱電機は6月8日、独Semikron Danfossと共同で、直流電圧を3段階の電位で制御する3レベルTタイプ回路を内蔵したパワー半導体モジュール向け新標準パッケージを開発したと発表した。同パッケージは、産業機器や発電システムに用いられるインバーター用途を想定したものとなる。
3レベル回路への対応で高効率化を実現
近年、脱炭素化の進展に伴い、電力変換装置に対して高効率化や省エネルギー化の要求が高まっている。こうした中で、従来の2レベル回路に比べて出力波形を正弦波に近づけられる3レベル回路の適用が進んでおり、使用されるパワー半導体モジュールにも対応が求められるようになってきている。
今回の両社が開発した新たなパッケージでは、3レベルTタイプ回路を内蔵することで、インバーターの効率向上や周辺部品の小型化に寄与することを可能としたという。
端子互換で設計共通化を推進
また同パッケージは、三菱電機の高出力帯向け「LV100タイプ」とSemikron Danfossの「SEMITRANS20」を基準とし、両社の製品間で端子配置および機能の互換性を確保した点が特徴となる。これにより、ユーザーは異なるメーカーのパワーモジュールを同一設計で使用できる可能性が高まり、インバーター設計の共通化が進むことになる。
設計自由度の向上にも寄与
さらに、3レベル回路向けに主電極端子と制御用補助端子を最適配置することで、インバーター設計時の自由度の向上も図られているとする。これにより、用途ごとに異なる設計要求に対応しやすくなるとともに、システム全体の最適化が図りやすくなるという。
“システム視点”での競争へ
従来、パワーモジュールはメーカーごとに仕様が異なり、設計流用が難しい場合も多かったが、互換性を持つ標準パッケージの採用により、設計効率の向上や開発期間短縮が期待される。
そうした意味では、今回の取り組みは、設計負荷の軽減、部品選定の柔軟化、調達リスクの低減といったメリットをユーザに提供することにつながることが期待される。また、パワー半導体のデバイス性能のみならず、実装やパッケージングを含めたシステム全体での最適化が重要となってきており、そうした面からも今回の新標準パッケージは、モジュール単体の性能向上に加え、設計の共通化を図ることでシステム全体の効率を高める取り組みにつながるものと考えられる。
