NECは7月29日、2026年度(27年3月期) 第1四半期決を発表した。売上収益は前年同期比14.5%増の8198億円、Non-GAAP営業利益は同347億円増の747億円となった。ITサービス国内における収益性改善や、航空宇宙・防衛領域の増収増益、米国CSG Systems Internationalの新規連結が業績を押し上げた。
第1四半期の進捗を踏まえ、2026年度通期の売上収益予想を従来の3兆5000億円から3兆5400億円へ、Non-GAAP営業利益予想を4200億円から4300億円へ上方修正した。
決算説明会には、副社長兼CFO(最高財務責任者)の雨宮邦和氏が登壇した。
売上収益は14.5%増、営業利益率は9.1%へ上昇
2026年度第1四半期の売上収益は8198億円となり、前年同期の7157億円から14.5%増加した。Non-GAAP営業利益は前年同期の400億円から747億円へ増加し、対売上比率は5.6%から9.1%へ3.5ポイント改善した。
Non-GAAP当期利益は前年同期比386億円増の609億円へ上昇した。CSGが2025年4月から連結されていたと仮定するプロフォーマベースでも、売上収益は前年同期比9.8%増、Non-GAAP営業利益は274億円増となった。
セグメント別では、ITサービスの売上収益が前年同期比9.6%増の6215億円、Non-GAAP営業利益は170億円増の578億円となった。社会インフラでは売上収益が37.3%増の1653億円、同営業利益が130億円増の161億円となっている。
国内ITサービスの収益性改善 BluStellarは33%増収
国内のITサービスの売上収益では、前年同期比1.9%増の4772億円、Non-GAAP営業利益は134億円増の453億円となった。営業利益率は前年同期の6.8%から9.5%へ2.7ポイント上昇した。
成長事業であるBluStellarは、官公庁や金融分野を中心に、顧客の課題を端から端まで解決するシナリオ型のビジネスが拡大。売上収益は前年同期比33.2%増の1661億円、Non-GAAP営業利益は76億円増の227億円となった。ITサービス国内の売上収益に占めるBluStellarの比率は、前年同期の27%から35%へ上昇している。
一方、従来型のベース事業は、低収益事業の終息やBluStellarへのシフトに伴い、売上収益が9.5%減の3111億円となった。ただし、Non-GAAP営業利益は57億円増の226億円、営業利益率は4.9%から7.3%へ改善した。
国内ITサービスの実質的な受注額は前年同期比3%増となっており、官公庁向けのデジタル化案件や通信、金融、流通・サービス分野が伸長し、アビームコンサルティングは16%増だった。モダナイゼーション案件を中心に需要は堅調で、年間売上予想に対する第1四半期売上と受注残高のカバー率も前年同期を2ポイント上回った。
航空宇宙・防衛がけん引 海洋システムも黒字転換
社会インフラでは、航空宇宙・防衛領域が引き続き業績をけん引した。売上収益は前年同期比49.6%増の1108億円、Non-GAAP営業利益は92億円増の137億円となり、営業利益率は6.1%から12.4%へ上昇した。
同社は、従来は第4四半期に偏る傾向があった防衛案件について、契約後の作業を早期に開始するなど、売上計上時期の平準化を進めてきた。雨宮氏は、2026年度は第1四半期から売上計上が進んでおり、一過性の大型案件ではなく、事業運営の見直しが増収増益につながったと説明した。
海洋システムの売上収益は前年同期比52.3%増の230億円となった。前年度に受注した案件の売上計上が始まったことで、Non-GAAP営業損益は前年同期の15億円の赤字から28億円の黒字へ転換した。
海洋システムでは、過去に不採算となった契約が一部残っている。第1四半期にはリスクのある契約の一つが完了したことから、通期の利益予想を10億円上方修正した。一方、残る契約への対応を継続するため、黒字転換後も一定のリスクを見込んでいる。引当金の戻し入れなどによる一過性利益は、第1四半期には発生していないとした。
通期業績予想を上方修正 売上収益は3兆5400億円へ
第1四半期の業績を受け、NECは2026年度通期の売上収益予想を400億円引き上げ、3兆5400億円としたのに加え、Non-GAAP営業利益予想は100億円増の4300億円へ上方修正した。
ITサービスの通期予想は、売上収益を200億円増の2兆1750億円、Non-GAAP営業利益を50億円増の3290億円。修正はすべて国内事業に反映している。BluStellarの年間予想は据え置き、ベース事業の第1四半期における収益性改善を上方修正の要因とした。
社会インフラは、航空宇宙・防衛の売上収益を200億円、営業利益を40億円上方修正した。海洋システムの利益も10億円引き上げ、社会インフラ全体では前年度比456億円増となる990億円のNon-GAAP営業利益を見込む。
一方、メモリなどの部材不足やマクロ経済環境の不透明性に備え、売上収益1000億円、Non-GAAP営業利益300億円のリスク枠は維持した。第1四半期時点における部材不足の業績影響は軽微だったという。価格転嫁や製品構成の変更、調達部門による納期調整などで影響を抑えたが、調達リードタイムが半年程度に及ぶケースもあり、先行きは引き続き不透明であるとしている。
Anthropicとの協業や組織統合でAI体制を強化
同社は成長に向けた取り組みとして、Anthropicとの協業状況を説明した。
NECは2026年4月に日本企業として初めてAnthropicのグローバルパートナーとなり、安全性と信頼性を重視した業務特化型AIソリューションの共同開発を進めている。
金融分野では、6月に複数の金融機関との共創を開始。協業に基づく最初のサービスとして、消費者の購買データから商品企画や販売促進プランなどを自動作成するサービスも7月から提供している。
社内では、AIコーディングツール「Claude Code」をNECグループの約3万人へ展開する。Anthropicによる教育プログラムも活用し、AIを前提に開発を進めるエンジニア体制の構築を目指すという。
NECソリューションイノベータと10月統合 約2万人体制へ
また雨宮氏は、10月1日付で予定するNECとNECソリューションイノベータの統合により、約2万人のエンジニアリソースや業務知識、実装力を集約する予定であることを明かした。
コンサルティングからシステム構築、運用までを一体で提供する体制へ移行し、人月を基礎とした従来型の事業モデルから、顧客への価値提供を中心とするモデルへの転換を進める方針とのことだ。






