PCM搭載車載マイコンシリーズを正式発表
STMicroelectronics(STマイクロエレクトロニクス)は4月16日(欧州時間)、同社の車載用マイクロコントローラ(マイコン)「Stellar」に次世代の拡張可能メモリとしてPCMベースの「xMemory」を組み込んだ新シリーズを追加したことを正式発表した。
xMemoryの中核は、28nm FD-SOIプロセスを用いた組み込み型不揮発性メモリ(eNVM)で、これは組み込み型の相変化メモリ(PCM)を活用したものとなる。PCMは、ゲルマニウム・アンチモン・テルル(GST)合金で構成され、急速な加熱・冷却制御によってGSTがアモルファス相(高抵抗)と結晶相(低抵抗)にそれぞれ変化する性質を利用するメモリ。電気抵抗の異なる2つの相を理論値0と1とし、低電圧での読み出しおよび書き込みが可能といった特徴があり、その他の組み込みメモリ技術と比べて、2倍のメモリ密度を実現できると同社では説明している。
PCMを搭載した第1弾製品は2025年中に量産を開始
xMemoryを搭載した最初のStellarマイコンは、トラクションインバータ用のマイコン、OBC(オンボードチャージャー)の制御用マイコン、BMC(バッテリ管理コントローラ)用マイコンなど車両のパワー関係を制御する複数のマイコンを1つのマイコンで実現できる「Stellar P(Power)シリーズ」の1つ「Stellar P6マイコン」で、新しいドライブトレインのトレンドと電気自動車(EV)向けアーキテクチャを対象として、2025年内の量産開始を予定しているという。