この半導体ニュースのまとめ
・Yole Groupは、ADAS市場が2031年に660億ドル超へ拡大し、価値の重心がセンサから演算基盤とソフトウェアへ移ると予測
・カメラがADASの中核を担い続ける一方で、レーダーは高解像度化、LiDARは特に長距離用途で最も高い成長を示すと分析
・中国が最もダイナミックなADAS市場として台頭し、Tier1や半導体各社もシステム統合やソフトウェア領域へ軸足を広げる
仏Yole Groupは、自動車の運転支援システム(ADAS))に関する最新の市場および技術レポート「Automotive ADAS 2026」発表した。
それによると、自動車のソフトウェア・デファインド化により、ADASはセンサの搭載数を増やすだけで競う市場ではなくなりつつあり、センシング、集中型コンピューティング、ソフトウェアを統合したスケーラブルなプラットフォーム構築力が競争力を左右するとしている。
ADAS市場は2031年に660億ドル超へ
センサや電子制御ユニット(ECU)を含むADAS市場規模は2025年の340億ドルから年平均成長率(CAGR)14%で成長し、2031年に660億ドル超へ拡大する見通しである。現在、ADASのティア1トップメーカーはAptivで、デンソー、Valeoと続くほか、4位以下の追い上げも激しい。
センサの需要は堅調ながら、現在、最も成長が見られるのはコンピューティングプラットフォームとソフトウェアで、業界がドメイン指向型および集中型アーキテクチャへと移行していることを反映した動きだとYoleでは説明している。
また、カメラがADAS展開の基盤でありつつも、レーダーも進化しており、LiDARは特に長距離用を中心に成長することが期待されるとしており、2031年までの販売量を支える存在になると予想しているが、集中型コンピューティングアーキテクチャへの移行に伴い、ソフトウェアコンテンツとシステムレベルの最適化が、競争力を左右する重要な要素となることを強調している。
この変革は自動車サプライチェーンにも影響を与えており、Yoleでは、ティア1サプライヤは、ハードウェアの納入だけからシステムインテグレーションやソフトの検証などに事業を拡大しているほか、半導体企業がOEMとの関係を強化し、より包括的なプラットフォームソリューションを提供しようとしていると分析している。
中国が独特のADAS市場として台頭
このほか、中国が独特でダイナミックなADAS市場として台頭している点を強調している。特にL2+運転支援システムにおいて、イノベーションサイクルと普及率の両方を加速させており、ソフトウェアとコンピューティングの制御が主要な競争の場となっているという。
センサのロードマップは分岐も、アーキテクチャは収束
自動車センシングの次の段階については、センサの性能向上だけから、各センサが集約化されたADASアーキテクチャにどのように適合するかに軸が移ると見ており、ソフトが主導するにつれ、センサの価値が統合性・拡張性、そしてシステムレベルでの貢献度から生まれるようになるとしている。
そのためカメラのイノベーションも、解像度、HDR、感度、ダイナミックレンジなどに加え、接続性の向上、ハイブリッド光学系、ゲートイメージングなどのアクティブイメージング技術からも生まれるようになるとする。また、レーダーが高度な知覚レイヤへと進化しつつあるとするほか、LiDARについては、ToFの次の技術としてFMCWが期待されるようになっているとする。
なお、Yoleでは、ADAS業界がソフトウェア・デファインドの時代に向けて、センシング、コンピューティング、ソフト統合のバランスを理解することが、すべての自動車関連企業にとって重要になると結論付けている。



