この半導体ニュースのまとめ

・JX金属の関係会社TANIOBISが、タイ国内生産拠点で機能性タンタル粉末の製造設備を増強すると発表
・2027年前半から順次稼働を始め、スパッタリングターゲットとコンデンサ向け需要拡大に対応する
・今回を含む一連の設備増強により、同拠点の生産能力は2022年3月比で1.5倍に拡大する

JX金属は6月9日、同社の関係会社である独TANIOBIS(タニオビス)のタイの生産拠点にて機能性タンタル粉末の製造設備について増強投資を行い、生産能力を引き上げる計画を発表した。AIデータセンターの拡大を背景に、スパッタリングターゲットやコンデンサ向けで需要が伸びる機能性タンタル粉末の供給体制を強化し、先端デバイスに必要な先端素材の安定供給につなげる狙いである。

2027年前半から順次稼働、タイ拠点で上流工程を増強

今回の投資では、タニオビスはタイ国内生産拠点にて、機能性タンタル粉末の最上流工程の設備を増強する。新たな設備は2027年前半から順次稼働を開始する予定だという。

  • タニオビスのタイ国内生産拠点の外観

    タニオビスのタイ国内生産拠点の外観 (出所:JX金属)

同拠点では2022年3月に、同製品の生産能力を段階的に引き上げる方針が示されており、これまでもボトルネックとなる工程の設備増強が進められてきた。今回はその方針の下で、スパッタリングターゲットとコンデンサの両部材向け需要のさらなる拡大に備え、より上流側の工程まで増強対象を広げることとしたとする。

スパッタリングターゲットとコンデンサ向け需要が拡大

機能性タンタル粉末は、半導体製造に用いられるスパッタリングターゲットや電子部品であるコンデンサに用いられる。タンタル製のスパッタリングターゲットは、銅の微細配線の信頼性を保持するための層を形成する材料として使われており、先端半導体の高集積化・高性能化を支える不可欠な部材と位置付けられる。

また、タンタル製コンデンサは、小型でありながら高い信頼性と安定した電源供給特性を持つことから、AIやデータセンター向けの高性能半導体の電源回路で重要な役割を担う。JX金属は、いずれの製品も成長が著しい生成AIデータセンターに欠かせない部材であり、機能性タンタル粉末の需要も着実に伸びており、この傾向は今後も継続すると見込んでいる。

一連の設備増強で生産能力は1.5倍に拡大

今回を含む一連の設備増強により、同拠点の生産能力は2022年3月比で1.5倍に拡大する見通しだ。

先端半導体向け材料では、需要拡大に加えて供給安定性への要求も高まっており、特に生成AI関連のインフラ投資が続くなかで、部材メーカーには中長期での増産対応が求められている。

なお、JX金属グループとしては、タニオビスによる機能性タンタル粉末の増産で、先端半導体向けの材料供給力を引き上げることになる。今後も先端デバイスに必要不可欠な先端素材の安定供給を通じて、社会の発展と革新に貢献していくとしている。