SNSで人気を集めるママイラストレーター・ほかほか命さんとパパイラストレーター・ぷにぱぱさんによる連載「【漫画レポ】#新米ママパパの妊娠後期の準備時間 Vol.2」。この連載では、妊娠後期に準備しておきたいあれこれを、先輩ママ・先輩パパの実体験から考えていきます。今回はママイラストレーター・ほかほか命さんによる「出産」時のエピソードです。
ほかほか命さん
イラストレーター。2020年11月に生まれた息子・はるくんと家族愛であふれる夫との日常を漫画にした投稿をブログやSNSで発信中。こんにちは! ほかほか命です。
第3回にわたる本連載ですが、ついに出産編ということで、早いものでいよいよ最終回となります。私たちは今回コロナ禍での出産でしたが、幸運なことに元々希望していた立ち会い出産ができました。今回は色々制限があるなかでの入院から出産に至るまでの夫婦の立ち回りも踏まえてご紹介できればと思います。
【当日の様子・陣痛がきてから入院するまで】想像していた流れとは違うことに戸惑いながら……慌てて病院に
出産予定日まで1週間となっていた11月上旬。周りの知人・友人の『初産は遅れるよ〜!』という言葉を鵜吞みにして、入院準備もしないまま、夫婦でいつも通りゲームをして過ごしていました。
すると急に、ほんのりとおしるしのようなものが。念のためくらいの気持ちで病院に連絡すると『入院準備グッズを持ってすぐきてください!』とのこと。「(あれ?普通、陣痛が来て呼ばれるものではないの?)」と早くも想像していた流れとは違うことに戸惑いながら、買っておいた入院準備グッズをその辺に落ちていたビニール袋に慌てて詰め込んで、一目散に夫婦で病院に向かいました。
ここから約40時間後に我が子であり大天使のはるくんに会えることになるのですが、そこまでの流れを簡単に箇条書きで紹介していきます。
~我が家の入院準備から出産までの流れ~
・病院に着いてからも陣痛は特になく、またすぐに家に帰るのだろうと思っていたところ『おそらく上位破水だろう』ということで入院(コロナのため、旦那は病院内にも入れず即帰宅)
・そこから約半日は何もなく、入院費のことを心配するほどの余裕を持って病院で過ごす
・18:00 急に内臓を内側から押されるような痛みと気持ち悪さが始まる
・22:00 陣痛アプリで10分間隔の痛みを確認→本陣痛 そこから定期的な痛みで腹の底から野獣のような唸り声が出る(コロナ禍により、入院先での規定で旦那は子宮口が5センチ開くまで自宅待機)
・1:00 子宮口2センチ頃、予定を変更して旦那来院OKに→夫婦で子宮口が5センチ開くまで、病室で陣痛と闘う
・5:00 子宮口4センチ頃、陣痛感覚7〜5分、お尻の痛みに耐える
・7:00 子宮口5センチを確認でき麻酔投入→旦那と笑いながら談笑できる程フィーバー無敵タイム
・11:30 子宮口8センチ頃、陣痛が遠のいてしまい、促進薬を投入→激痛が再び訪れる
・12:30 陣痛の波が来るたび「くるくるくる!」と叫びながら陣痛と闘う
・14:00 子宮口10センチ確認、いきみかたを教えてもらい、いきみ始める
・14:23 はるくんを出産
陣痛の痛みと闘っていたのは、麻酔が効いている時間を除くと約12時間。痛みに元々強くない私は、その時間が永遠の時間のように感じました。改めて、その時間を何とか乗り越えられたのは、やはりパートナーの存在が本当に大きかったように思います。
陣痛と闘っている時間は、とにかく気が立っており、近くにいてくれた旦那には強く当たってしまっていました。そんなとき、ただひたすら優しく受け止めて、背中をさすり続けてくれた旦那には感謝の気持ちしかありません。産後2年経った今でも旦那と喧嘩をしそうになったときに、あのときの旦那の光景を思い出しては穏やかさを取り戻せるほどです。
いま私が、出産を控えた奥様をお持ちの旦那さんたちにアドバイスを伝えるなら『お産の間は多少理不尽なことを言われても、奥様のしてほしいことに耳を傾けて、とにかく穏やかに寄り添ってあげてほしい』ということ。出産を経て、夫婦の絆がより強くなったように感じる大きなきっかけは、あの陣痛の時間に作られたように感じます。
『頑張れほかちゃん! 頑張れ!!』出産を支えてくれた、旦那の行動
そしてもう一つ印象に残っているシーンが、息子が出てくるほんのちょっと前。「私が生きている間に泣き顔を見ることはないかもしれないな」と思わせるくらい普段からクールな旦那が、目を真っ赤にして号泣をしながら『頑張れほかちゃん! 頑張れ!!』と応援しているのを見たときでした。
あまりにもびっくりしたのと同時に、旦那の想いが伝わってきて『大丈夫だよ! 頑張るよ!』と気持ちが溢れた瞬間でした。一緒に闘ってくれている様子に、今でもたまに思い出しては、1人でジーンとしています(笑)。
コロナ禍での妊娠・出産……不安ななかでの出産に、先輩ママとして伝えたいこと
私たち夫婦はちょうど一瞬緩和されたタイミングでのお産となったので幸運にも『立ち会い出産』をさせてもらえました。ただ、そのなかでも通院中から夫婦で来院ができなかったり、出産の入場制限や産後の面会禁止などがあったりと、初めての妊娠出産で不安な上、制限が多く、孤独を感じることが本当に多かったです。
何とか『1人で乗り越える力がついたやん!」と、前向きに変換しようとしても、エコー写真を夫婦で一緒に見たかったなという気持ちも、産後に1人不安や孤独感に泣いた夜があったのも事実。今妊娠されている方のなかには、多かれ少なかれ諦めなきゃいけないという選択をしている人もいるのではと思います。
当時の私はできなかったことや諦めたことばかりに気持ちが向いてしまっていましたが、今思うとああしておけば良かったと思うことも多かったので最後に少しだけ紹介させてもらうと……
・妊娠中に夫婦の2人きりの写真をたくさん残しておけば良かった
→病院の親子教室が延期になり参加できなかったこともあり、妊娠中の夫婦の思い出を残せる場面が少なかったなと感じます。毎日でも撮っておけば良かった!
・産院で親子の写真が残せるタイミングがあれば、どんどん撮ってもらえば良かった
→毎日助産師さんたちが部屋に来てくれるのになぜかお願いするのを躊躇ってしまっていた(なぜ)
・スマホスタンド&少しでも大きい画面の通信機器を持っていけば良かった
→産後の面会禁止が個人的にかなり辛く、スマホのビデオ通話が支えだった
・もっと、物理的にも精神的にも入院中は自分を甘やかせれば良かった
→食べたいスイーツを買ってきてもらったり(玄関で受け渡しだけならOKだった)もっとこまめに困りごとや不安なことを旦那に共有したりするべきだった(今思うと、自ら孤独感に身を置きにいっていた気さえする……)
・やっぱりできる準備は何でも早めに終わらせておいた方が良かった
→そのままです(笑)。『まだ入院バッグは作ってないんだよね』と笑っていないで、出産に集中できるように早く準備をもっとやっておいて! 過去の私!!明日破水するよ!!
ただでさえ初めてのことで不安なのに、それとは別のところでモヤモヤしたり不安と闘わなければならないシーンが多かった妊娠期と出産当日。今回慣れないながらも連載を書かせていただいたのは、まだまだコロナの禍中にいながら出産を迎える予定の妊婦さんたちに少しでも何か参考になればと思ったのがきっかけでした。
現在育児3年目に突入しようとしており、毎日我が子の成長に驚かされたりイヤイヤ期の壁にぶつかったり忙しない日々を送っていますが……夜寝かしつけが終わった後、今回書かせていただいたような生まれたての頃の写真や動画を眺めては、今はもう会えない新生児の小さい我が子に思いを馳せたり今の成長を噛み締めたりしています。
出産を控え、愛おしい気持ちでその日を待ち侘びている人、楽しみのなかにも漠然とした不安や憤りを感じている人、想像がつかない世界に怖さを感じて押しつぶされそうな人、妊婦さんのなかにも様々な方がいると思います。
どうか無理はなさらず、今過ごしている時間をたくさん大切にして、我が子と対面するそのときまで少しでも心穏やかに時間が過ごるよう、いち先輩ママとして心から応援しています。短い期間でしたがここまで読んでいただきありがとうございました。全ての妊婦さんとそのパートナー、家族に幸あれ!!!!!!
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