「妊活中の女性は○○を食べてはいけない」という話は一般的ですが、男性も妊活中に食べてはいけない物があるってご存知ですか?
実は、不妊の半分近くは男性に原因があると明らかになっています。
そして男性不妊の原因の1つと言われているのが食生活です。近年では研究が進み、妊活中に男性が食べてはいけない物も明らかになっています。
今回は妊活中の男性に向けて、食べてはいけない物を食べると何が起こるのかを解説した上で、具体的に避けるべき食品を紹介しましょう。
妊活中の男性が食べてはいけない物を食べると起こる2つの恐怖
たかが食事だと侮ってはいけません!
正しい知識がないまま食べてはいけない物を口にしていると、妊活の成功率はみるみる下がっていきます……。
まずは食べてはいけない物のリスクを把握して、意識を高めていきましょう!
1.性欲が低下して行為が苦痛になる
1つ目のリスクは性欲の低下です。食事に気を遣わないと、行為に対するモチベーションが保てない事態が発生します。
そうなれば、パートナーからのプレッシャーや気持ちのすれ違いは避けられません……。
食事で性欲が落ちてしまう原因は、男性ホルモン「テストステロン」の低下。テストステロンは男らしさを司る男性ホルモンですが、低下すると性欲が減退することがわかっています※1。
そしてナイトプロテインで行ったアンケート調査では、実際に妊活経験のある男性が悩んだ問題として「行為に対するモチベーションの低下」が一番多いとのデータも出ているほど重大なんですよ。
妊活期間中、ずっと大きなストレスにさらされたくなければ、テストステロンを減らさないよう食べてはいけない物を避けましょう。
※1引用元：Testosterone and behavior
2.精子の量や質が減少して妊娠確率が低下する
2つ目は、男性妊活において最も重要な精子の量や質が悪化してしまうリスク。
理由は単純で、男性が妊活中に食べてはいけない物をバクバクと口にしていると、体内で正常な精子が形成されにくい環境ができてしまうからです。
特に気をつけたいのが”酸化ストレス”。精子は酸化に弱いため、体内に活性酸素が増えすぎると精子の量や運動率が減少してしまいます※2。
ちなみに、実は先ほど紹介したテストステロンは精子の形成に関わっており、テストステロンの減少も精子の量や質に影響を与えるのです。
せっかく運動をして妊活に良いと聞いた物を食べていても、食べてはいけない物を口にしているせいでプラマイゼロ……なんて事態になりかねません。
やはり妊活の成功率を高めたいのであれば、食べてはいけない物を避けて健康な食生活を意識する必要がありますね。
※2引用元：Diet and Nutritional Factors in Male (In)fertility—Underestimated Factors
妊活中の男性が食べてはいけない物10選
まとめると、男性が妊活中に食べてはいけない物は「テストステロンを下げる食べ物」と「体内を酸化させる食べ物」の2つになります!
それでは、実際にどんな食べ物が該当するのか確認していきましょう。
1.ハムやベーコンなどの加工肉
1つ目の食べてはいけない物は、ハムやベーコン、そしてみんな大好きウインナーなどの加工肉食品。
手軽にジューシーで美味しい肉を味わえるうえ、日持ちするので非常に重宝しますよね。しかし! 妊活中の男性は避けなければいけません……。
理由は、加工肉に含まれる脂肪分にあります。加工肉にはトランス脂肪酸や飽和脂肪酸など、食べすぎると体内で活性酸素を発生させる脂肪分がたっぷり※3!
実際の研究でも、ハムやベーコン、ウインナーなどの加工肉を食べる量が多い男性ほど総精子数が少ないとわかっています※4。
さらにさらに、トランス脂肪酸を多量に摂取している男性はテストステロンが低下することも明らかになっているのです※5。
テストステロン低下と精子量低下のダブルパンチで妊活を邪魔してくる加工肉。妊活中は脂肪分の少ない鶏胸肉や牛赤身肉を選ぶようにしましょう!
※3引用元：トランス脂肪酸による新たな毒性メカニズムの解明
※4引用元：Meat intake and reproductive parameters among young men
※5引用元：Fatty acid intake in relation to reproductive hormones and testicular volume among young healthy men
2.乳脂肪分の多いの乳製品
妊活中の男性は、牛乳のガブ飲みやチーズ、バター、クリームなど乳脂肪分の多い製品も避けるべきです。
理由は、乳脂肪分に女性ホルモンと同様のはたらきをする物質が含まれているから。
体内で女性ホルモンのはたらきが増えると、男性ホルモンのテストステロンが減少し、性欲や精子の質に悪影響を及ぼします。
海外の大学で行われた1年間の食事と健康状態をモニタリングした研究でも、全乳脂肪が多く含む食事を摂取していた人は精子の量や運動率が低いとわかりました※6。
妊活中でも牛乳が飲みたい男性は、低脂肪乳や無脂肪乳を選ぶのがおすすめです。
3.マーガリンやフレッシュなどの植物性油脂
「バターや普通のミルクが害なら、マーガリンやフレッシュミルクで代用するのは……?」
はい、残念ながらアウトです……。
マーガリンやフレッシュなどは植物性の油脂ですが、こちらも精子の量や質に悪い影響を与えます。
理由は2つ。先ほども出てきたトランス脂肪酸と、植物油脂に多いオメガ6脂肪酸の摂りすぎにつながるからです。
トランス脂肪酸はいわずもがな。そして植物由来で体に良さそうと思われがちなオメガ6ですが……摂りすぎると精子に影響を及ぼすことが研究でわかっています※7。
濃厚なバターの風味やミルクのマイルドな味わいは、妊活中なら潔く諦めてください……。
ちなみに、妊活中は通常の植物油からオリーブオイルへの切り替えがおすすめ。オリーブオイルは同じ植物由来でも、オメガ9という別の種類です。そしてオメガ9は他の植物油のような悪影響がないとされていますよ。
※7引用元：Importance of maintaining a low omega-6/omega-3 ratio for reducing inflammation
4.糖質と脂質の高いお菓子
クッキーやスナック菓子、ドーナツなど、ジャンキーなお菓子も妊活男性は食べてはいけません。
理由は……勘のいいアナタならもうおわかりですね。トランス脂肪酸や植物油脂の摂りすぎにつながるからです。
さらにもう1つ。砂糖の摂りすぎにもつながってしまい精子に悪影響が出てきます。
もちろん、糖質を摂ってはいけない訳ではありません。しかし、砂糖の摂りすぎは高血糖状態や肥満につながります。
そして……高血糖や肥満はEDや精子の質減少など男性不妊の原因になってしまうことが明らかになっているんです※8。
妊活男性は、日常を彩る甘ーいスイーツすら食べてはいけない訳ですね……。しかし! 妊活中は奥様も頑張って我慢しているはず。我々男性も一緒に頑張っていきましょう!
5.大量の大豆製品
続いては、大豆製品です。
大豆には女性ホルモンと同じはたらきをするイソフラボンが豊富に含まれているので、大量に摂りすぎるとテストステロンや精子に悪影響を及ぼします。
厳密に言うと、大豆製品は全く食べてはいけない訳ではありません。しかし、イソフラボンを過剰に摂取するとEDや精子の減少を引き起こすと明らかになっています※9。
したがって、妊活中の男性は大豆製品の摂りすぎに気をつける必要がありそうです。
では、どのくらいまでなら摂取してもOKなのでしょうか? 研究では、イソフラボンの摂取量が1日75mg以下であれば男性の生殖機能に支障がないとわかっています※10。
75mgのイソフラボンは、納豆なら約2パック、豆腐なら1丁程度。そのほか、豆乳やソイプロテインは特に含有量が高いので、1日1杯までにしましょう!
※9引用元：Hypogonadism and erectile dysfunction associated with soy product consumption
※10引用元：Neither soy nor isoflavone intake affects male reproductive hormones: An expanded and updated meta-analysis of clinical studies
6.メチル水銀を多く含む魚
一見すると栄養たっぷりで妊活にも良さそうな魚にも注意が必要。
魚の中には、生物濃縮で体内にメチル水銀を多く蓄えている種類もいるからです。
メチル水銀は体内の物質と反応して、細胞を破壊する毒に変わってしまいます。そして生殖器にも悪影響を与えてしまうんです。
実際に、体内でメチル水銀の濃度が高まると精子のDNAが破壊され、正常な精子の数や運動率が低下することが明らかになっています※11。
厚生労働省の資料によると、水銀を多く含む魚として注意が必要なのは、クジラやマグロ、メカジキやキンメダイなど※12。特にマグロは意識しておかないと、寿司や刺身でモリモリ食べてしまいそうですよね。
妊活中は、魚類で摂取してしまうメチル水銀の量にも注意が必要だと覚えておきましょう!
※11引用元：Exposure to mercury and human reproductive health: A systematic review
※12引用元：妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項の見直しについて
7.アルコール類
お次は飲み物編に突入! 女性は妊活中のアルコール厳禁が浸透していますが、男性も飲んではいけません!
理由は、お酒を飲むと体内で作られる「アセトアルデヒド」が酸化ストレスを与え、精子を減少させるからです※13。
実際の研究では、毎日アルコールを飲んでいる人の精子の質が、全く飲まない人やたまに飲む人と比べて顕著に悪かったとわかっています※14。
ちなみに、適度な飲酒なら精子の質は悪化しないとのデータもありますが……奥さんが我慢しているのであれば、妊活中ぐらいは一緒に禁酒した方が良いかもしれませんね!
※13引用元：Acetaldehyde Induces Cytotoxicity of SH-SY5Y Cells via Inhibition of Akt Activation and Induction of Oxidative Stress
※14引用元：Semen quality and alcohol intake: a systematic review and meta-analysis
8.清涼飲料水
コンビニや自販機でついつい手が伸びてしまうジュースも、妊活期間中に飲んではいけない物の1つです。
先に研究データを紹介しましょう。デンマークで10年かけて行われた大規模な研究では、平均19歳の若い男性たちを集めて精子の量や質を観測しました。すると、清涼飲料水を飲む量が多い人ほど精子の質が悪いとわかったんです※15。
精子の質が低下する明確なメカニズムは不明ですが……血糖値の問題をはじめジュースが健康に良い訳ありませんよね。
妊活中の男性は、ジュースを飲みたくなったらこの研究データを思い出してグッとこらえましょう!
※15引用元：Association between intake of soft drinks and testicular function in young men
9.ブラックコーヒーやお茶以外のカフェイン入り飲料
もうひと頑張りしたい時のエナジードリンク……これも妊活男性は飲んではいけません。
エナジードリンクに含まれるカフェインが精子DNAの異常をきたし、精子の質が低下すると言われているからです。
研究でも、カフェイン入りエナジードリンクの摂取量が多い人は精子の質が低下していることがわかっています。
ちなみに……同じカフェインでもココアやコーヒー、お茶など天然のカフェイン入り飲料は精子の質を低下させないとのデータも※16!
妊活男性はできるだけナチュラルな製品を摂取するように心がけると、プラスにつながりそうですね。
明日からはエナジードリンクを買う前に思い止まり、コーヒーやお茶に切り替えましょう! ……ただし、砂糖の入れすぎには注意ですよ!
※16引用元：Coffee and caffeine intake and male infertility: a systematic review
10.コンビニやスーパーのプラスチック容器に入った弁当
最後は、コンビニやスーパーで手軽に買えるお弁当。便利ですが、妊活中の男性は食べてはいけません。
理由は、プラスチック容器に含まれる化学物質によってホルモン異常を起こすリスクがあるから。つまり、テストステロンの低下や精子の質低下が引き起こされるリスクがつきまとうのです。
そして、実際にラットを使用した実験では、プラスチックに含まれる化合物には内分泌を撹乱する作用があるとわかっています※17。
とくにプラスチック容器の有害物質は高温になると溶け出すため、「温めますか?」の問いかけに「お願いします」と答えるのは危険です。
……と言いつつ、実は人を対象とした実験では確実に悪影響が出ると確認されていないため、店頭には今日もプラスチック容器を使用した弁当が並んでいます。
しかし……少なくともリスクが考えられるなら、妊活中の男性はプラスチック容器に入ったお弁当やお惣菜を食べないようにした方が良いでしょう。
妊活中は男性も食べてはいけない物がたくさんある! 普段の10倍気を遣おう
ここまで妊活中の男性が食べてはいけない物についてまとめてきました。
女性はアルコールやカフェインがダメなど、妊活中にきつい縛りがあることはよく知られていますが、男性における食べ物の影響はまだまだ世間に広まっていません。
しかし科学やデータを考えると、現代の生活において避けるべきものは多数あるんです。
1回1回のチャンスを無駄にしないためにも、まずは意識すれば気をつけられる食生活から改善を進めていきましょう!
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