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事業を継続させる柔軟なサプライチェーンの構築

2人目は、戦略調達ソリューション「Meister SRM」(※2) の商品企画およびプロモーション/マーケーティングから提案、システム導入、運用保守に関わる廣川さんにお話を伺う。

──廣川さんが携わっている仕事についてお聞かせください


廣川さん

私は、製造業のバイヤ部門とそこに繋がるサプライヤをご支援する「Meister SRM」に携わっております。「Meister SRM」は、調達活動でやりとりされている見積やサプライチェーンを含むサプライヤ情報などの戦略調達データを蓄積する仕組みです。

昨今、多発する自然災害やコロナ禍によるサプライチェーン寸断など、不確実性が高まる事業環境において、レジリエントなサプライチェーン構築が急務となっています。1次や2次のサプライヤだけではなく、n次のサプライヤまで見える化し、その生産場所情報を整備する必要があります。更には、サプライチェーンの強度を高めることが重要になってきます。私は「Meister SRM」によって、このような持続可能で柔軟性のあるサプライチェーンの構築のご支援をさせて頂いております。

※2Meister SRM

調達活動の中で日々収集される部材コストや取引先などのサプライヤ情報などを一元管理して有効に活用し、調達コスト、遵法リスク、生産活動中断リスクを低減するサプライヤコミュニケーション基盤。

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──「Meister SRM」を通じて、社会にどのような価値を提供していきたいと考えていますか?


廣川さん

調達は企業の中核と思っています。中でも売り上げや戦略に直結する原材料・資材・部品などの「直接材」を適正な価格で安定調達しなければいけません。これはコロナ禍であろうとなかろうと変わらないでしょう。

そのためには、部品・材料構成を把握しておくと同時に、どのようなサプライチェーンを持っていて、どのような材料、加工工程、工程条件や時間、設備を使って作るのか、ひとつひとつのスペック情報や技術、検査条件、だれが輸送するのかまで……こういった質のよい現場データをすべて蓄積する仕組みが大事だと思います。また、サプライヤにも使いやすいユーザーインターフェースを実現し、持続可能なサプライチェーンとしていかなくてはならないと思っています。

また、製造業には日本ならではの文化があります。「モノの品質が良い」という点はそれを代表するものでしょう。しかし、品質のよいものを適正な価格で調達するというノウハウは、個人のノウハウとして眠ってしまうことが非常に多いと思っています。 「Meister SRM」を通して、調達部門における業務の標準化をご支援し、ノウハウを継承する仕組み作りをすることでお客様と一緒に品質のよいモノを市場に提供するご支援をしていきたいと考えております。

更なる取り組みとして、この「直接材」に関わる多種多様な情報がつながるスケールフリーなネットワークの構築を目指しています。サプライヤも含めた標準化・オープン化です。

更には、SDGsで求められる環境問題の達成をデータで見せるという役割があるとも思います。例えばサプライチェーンごとに環境指数が見える化できるようになることで新たな社会貢献ができないかと考えております。

──廣川さんが携わっている仕事について、島田さんからコメントをいただけますか?


島田さん

「Meister SRM」も東芝にとって非常に重要なソリューションです。B to Bでもデータの流通が促進されることで無駄を省いたり、リスクを解消したりできる部分はたくさんあると思います。これらの情報をつないで、さらなるSDGsに向けた最適化を提案できるソリューションをがんばって作っていただければと思います。