持続可能な開発目標、「SDGs(Sustainable Development Goals)」への注目が高まる昨今。ダイドードリンコでは、主力チャネルである自動販売機(以下、自販機)において環境に配慮した取り組みを進めている。

同社の親会社であるダイドーグループホールディングスは、ダイドードリンコの自販機の整備を行う協力会社のひとつである、株式会社トーヨー 近畿テクニカルセンターの見学動画を自社サイトにて公開した。本稿ではその動画の中身を紹介していく。

  • 自販機の整備を行う株式会社トーヨー 近畿テクニカルセンター

自販機での持続可能な社会への貢献とは?

入れ替えや撤去のために引き上げた自販機は、全国各地のテクニカルセンターへ搬入される。

自販機の平均寿命は約7年。ただ、800点にもおよぶ部品の寿命はそれぞれ異なる。そのため、ダイドードリンコでは自販機のメンテナンスや部品の交換を工夫することで、10年を超える長寿命化を実現。

  • ダイドードリンコでは、自販機のメンテナンスを行うことで10年を越える平均使用年数を実現しています。

整備の最初の工程は前検査だ。加熱・冷却機能に問題がないか、交換の必要がある部品の有無などを確認。そして、整備できるものとできないものに仕分けていく。部品の手配が済んだら高圧洗浄で汚れを落とし、研磨・分解する。

  • 自販機を分解する様子

分解した部品を一つひとつ手作業で綺麗にし、塗装作業へ。ムラなく塗るのには熟練の技術が必要で、塗料も気温や湿度といった環境に合わせて調合するという。

  • 自販機を塗装する様子

乾燥後に部品を組み立て、テスト缶を使った搬出確認や動作確認を実施。側面にダイドーのロゴを貼り付け、最終検査を終えれば整備が完了だ。

  • テスト缶を使った搬出確認など、自販機の動作確認をする様子

取り組みは、自販機の長寿命化だけではない。

整備しないと決まった自販機も処分せず、部品ごとに分類し、再利用できるものは取り外す。再利用できない部品は中間処理工場で解体し、鉄資源やプラスチック、金・銅などの素材を抽出。可能な限り再利用するため、自販機のリサイクル率はほぼ100パーセントということだ。

  • 自販機は鉄、銅、プラスチック、金など、可能な限り分別してリサイクルしています

さらに、一部の自販機では、整備に留まらず、新たな機能を追加し、「フロンティアベンダー」として再生している。

  • 一部の自販機では、整備に留まらず、新たな機能を追加し、「フロンティアベンダー」として再生

    搬入された自販機を新品同様の自販機「フロンティアベンダー」として再生。

例えば、価格表示をシールからデジタルに、蛍光灯をLED照明に交換するなど、新たな性能を加え、新品同様の自販機として生まれ変わらせ、消費者にとっても使いやすくすることで、利便性を損なわず、より長く使うための工夫だ。

  • 自販機の古い押しボタンをデジタル表示に変更した様子
  • 自販機の蛍光灯をLEDに変更した様子

ダイドーグループホールディングス 機材開発グループの担当者は「自販機には鉄やレアメタルなどの希少資源も含まれているので、再資源化できるものは可能な限りリサイクルする。私たちのビジネスに欠かせない自販機をこれからも大切に扱い、2030年には平均寿命15年という目標を達成したい」と話した。

  • ダイドーグループホールディングス 機材開発グループの担当者

街なかで見かけるダイドーの自販機。持続可能な社会への貢献を目指し、少しでも長く使えるよう環境に配慮しながら、1台1台を人の手でメンテナンスし、今日もお客様を迎えている。

見学の様子を動画でチェック

[PR]提供:ダイドーグループホールディングス