皆様、ボーナスはどのように使いましたか? 特に12月に受け取るボーナスは、年末年始の帰省やレジャー、1年間頑張った自分へのご褒美などいろいろな使い道があったかと思います。でもできれば、その一部は将来への備えに充てたいところです。

もちろん、定期預金などで堅実に蓄えることも大切ですが、それだけでは備えとして十分とはいえません。というのは、現在、預貯金の金利はとても低いからです。

それに対して、日本銀行は物価を年2%上げることを目標としています。物価上昇率が預貯金金利を上回る状態が続くと、預金していたお金の実質的な価値は下がってしまいます。

そこで、資産の一部は預貯金以外の金融商品で運用することも考えたいものです。預貯金以外の金融商品といってもいろいろありますが、初めて運用する人に向いているのが「投資信託」です。

投資信託が初心者におすすめな理由

投資信託は、多くの人から集めたお金で「ファンド」を作り、それをファンドマネージャーという運用の専門家が株や債券などに投資して増やすという仕組みです。購入単位はファンドによって異なりますが、1万円前後で買えるので、少ない金額から資産を運用することができます。また、2014年1月からは少額投資非課税制度(NISA)も始まり、より取引しやすくなりました。

運用というと、株式投資や外国為替証拠金取引(FX)を思い浮かべる人も多いことと思いますが、株式投資は1つの株、FXは1つの通貨に投資することになり、投資したものが値下がりすると、資産全体が目減りすることになります。

それに対して投資信託の最大の特徴は「分散投資」。各ファンドは複数の株や債券に投資するので、その中のいくつかが値下がりしても、そのほかのものが値上がりしていれば、ファンド全体の値下がりが押さえられたり、全体として値上がりしたりするというように、分散投資することによってファンドそのものの値動きが小さくなるのです。

株の場合は、会社が破たんすると株の価値がゼロになることもありますが、投資信託なら、投資先の1つが破たんしてもファンドの価値がゼロになることはありません。これも分散投資の効果です。

リスクとリターンのイメージ

ファンドを選ぶ方法は? 投資初心者は3つのポイントをチェック!

このように、投資信託は少額から投資でき、専門家に運用を任せることが可能で、分散投資によって値動きが抑えられているというメリットがあります。しかし、実際に日本で個人が買えるファンドは5,000本以上あり、運用初心者がその中から自分に合ったものを選ぶのは難しいのが実情です。そこで、ファンドの選び方をご紹介しましょう。

ファンドを選ぶには、ファンドの投資対象、運用タイプ、分配方針で絞っていくのがよいでしょう。

ポイント1 投資対象でファンドを選ぶ

ファンドの投資対象は主に株と債券と不動産、投資先の地域は日本、先進国、新興国などに分けられます。この組み合わせで、例えば「日本の株に投資するファンド」や「先進国の債券に投資するファンド」「日本と世界の株と債券に投資するファンド」のように分類できます。

一般的に、株は債券より値動きが大きく、値上がりが期待できる分、値下がりする可能性も高いといえます。

また同じ株でも、海外の株は為替の影響を受ける分、日本の株より値動きが大きく、同じ海外でも、新興国の株は先進国の株より値動きが大きいといえます。

ファンドの中には、株と債券の両方に投資する「バランス型」というタイプもあります。株と債券は値動きが逆になることが多いので、バランス型のファンドは大きな値上がりは期待できませんが、値下がりする可能性も低いと考えられます。

ポイント2 運用タイプでファンドを選ぶ

ファンドの運用タイプは「インデックス型」と「アクティブ型」に分けられます。アクティブ型はファンドマネージャーが投資する株や債券を厳選して、より高い運用成果を目指します。そのため、ファンドによって運用成績に差があります。

一方インデックス型は、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などの株価指数に連動する値動きを目指します(債券指数に連動する投資信託もあります)。インデックスファンドはいろいろありますが、どれもがそれぞれの指数に連動するように運用を行うので運用成績に大きな差がでることはありません。ですので、インデックス型はファンド選びで失敗することがあまりなく、初心者向きといわれます。

ポイント3 分配金の分配方針でファンドを選ぶ

分配金というのは、ファンドの運用によって得られた利益をファンドを買って保有している人に還元するもので、ファンドごとに、1年間に分配金を払う回数が1回、2回、4回、12回(毎月)などと決まっています。同じファンドでも、年1回分配か毎月分配かを選べるケースもあります。

現役世代がお金を増やすためには、分配金の支払いが年1回あるいは2回のものを選びましょう。分配金はファンドの資産から支払われるので、分配回数が少ないほうが分配金に回さずに済んだ資産も運用に回すことができ、運用効率がアップするからです。

また、分配金はお金で受け取るか、その分配金で同じファンドを買える口数分だけ買い増して再投資するかを選べます。資産を増やすことが目的であれば、再投資がおすすめです。それによってファンドの保有口数が増え、増えた口数に対してまた分配金が支払われるというように、雪だるま式に資産を増やすことができるからです。

こうしたことを踏まえたうえで、目的に合ったファンドを選ぶことが重要です。
例えば、現役世代の人が長期的に資産を増やしたいのであれば、多少値動きはあっても長期的には値上がりが期待できる日本株に投資する「インデックス型ファンド」。預貯金より高いリターンが得られればよいという方は、日本と海外の株と債券に投資する「バランス型ファンド」といった具合です。

なお投資信託は、証券会社、銀行、労働金庫等でも取り扱っています。まずは身近なところで、少ない金額でファンドを買ってはどうでしょう。その時に初めてわかることも多いはずです。

また、多くの金融機関では、すぐに余裕資金がなくても投資信託の積立ができます。同じファンドを毎月一定の金額で自動的に買っていく仕組みなので、手間をかけず、長期的にお金を増やすことができます。積立ならファンドを買うタイミングに迷うこともありません。毎月の積立額は1万円からという金融機関が多いのですが、毎月5,000円から1,000円単位で積み立てられる金融機関もあります。

投資信託の積立は労働金庫<ろうきん>の投信定時定額買付サービス(毎月5,000円から)を活用してみてはいかがでしょうか。投資信託には元本を割り込むリスクがあり、自身でその仕組みをしっかりと理解した上で買うことが求められますが、早く始めるほど資産を増やす効果が高まります。今年をあなたの運用元年にしてみてはいかがでしょう。

執筆者プロフィール : 馬養雅子(まがい まさこ)

ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)、一級ファイナンシャルプランニング技能士。金融商品や資産運用などに関する記事を新聞・雑誌等に多数執筆しているほか、マネーに関する講演や個人向けコンサルティングを行っている。「図解 初めての人の株入門」(西東社)、「キチンとわかる外国為替と外貨取引」(TAC出版)、『明日が心配になったら読むお金の話』(中経出版)など著書多数。オフィシャルホームページ「あなたのお金のアドバイザー」。

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