――歌詞もかなり言葉遊びが入っていたりして凝った感じですが、そのあたりでの苦労はありましたか?

atsuko「苦労というよりも、けっこう楽しく作れた感じですね。シリアスな曲だと、自分自身を見つめて、生きるって何だろう? みたいに考え込んだりするのですが、今回は人生ではなく、高校生の一日を追っているので、あまり深く考え込むようなことはなかったです。あと、さあ詞を書こうと思ったタイミングで、第一話の映像を観させていただいたんですよ。第一話を観てから作詞ができるなんて、生まれてはじめての経験でした(笑)」

――かなり珍しいことではないでしょうか?

atsuko「だいたいは頭の中で想像しながら、設定資料だけを頼りに書くことが多いんですよ。原作がある作品でもやはり動きは想像になりますからね。それが今回はちゃんと映像を観てから作詞ができたので、どんどん筆が進むわけですよ。掛け合いの部分もすごくイメージしやすかったですね。Aメロでは『はっ』とか『ひっ』とか言ったりして (笑)」

――なぜ「は」行からなのかがちょっと疑問でした

atsuko「普通なら『あ』から始めますよね。でも、朝起きたときは、『はっ、やだな』って感じなので、やっぱり『は』からなんですよ(笑)。実際に作ってみると『は』行がすごく作りやすかったというのもあります。2コーラス目は『あ』行になってますけど(笑)」

――歌詞の中の高校生活はatsukoさんの実体験ですか?

atsuko「やはり自分が高校生のころを思い出しながら書いてますね。1限がプールのときは嫌だったなとか、2限ではお腹がすいていたな、みたいなことを思い出しつつ、そこに今の高校生を意識して加えてみた感じです。今の高校生って、たぶん携帯電話を駆使していろいろな情報を集めていると思うので、『ググったり』とか『wikiったり』みたいな言葉を散りばめて、ちょっと今風な感じを出してみました(笑)」

――KATSUさんが詞を見たときにどのような印象を持たれましたか?

KATSU「(atsukoに向かって)今回、ダメ出しってしたっけ?」

atsuko「していないよ」

――KATSUさんはけっこうダメ出しするほうなのですか?

KATSU「けっこうダメ出しは多いかもしれません。『蒼穹のファフナー』のような重い作品になると、『こうあってほしい』とか『こういくべきだ』みたいな自分の中でのルールがあるんですよ。でも今回の『生徒会役員共』の場合、コミックスを最初に読ませてもらったときに、これは何をやってもいいんだなって思ったので、atsukoも何か面白いことをやってくるだろうって想像はしていました。曲を作っていても本当に面白かったです」

――「蒼い春」はプロモーション映像の撮影もかなり大掛かりだったそうですが、どういった映像になっていますか?

atsuko「とある学校の授業中に、突然angelaが乱入し、ライブを始めてしまうんですよ。すると、生徒さんたちも一緒になって踊り出して、後半は校庭でみんなを集めてライブをやっている、そんなPVになっています」

「蒼い春」のPV撮影風景

――ハーメルンの笛吹きみたいですね

atsuko「ちゃんとストーリーもあるんですよ。ダンサーの子たちも学生服を着て出演しているのですが、早弁をして先生に怒られたり、そんなストーリー性も交えつつ、映像にはその学校の本当の生徒さんたちにも出演してもらったりしています」

(次ページへ続く)