――さて、いろいろな意味でインパクトの強い『ネットミラクルショッピング』ですが、オープニングテーマをそうたさんのお父さんに歌ってもらうことになった経緯はどのような感じですか?

そうた「僕が目指していた匂いと雰囲気、テンションのノリに、うちの父ちゃんがちょうど合っていたんですよ。たぶん『ネットミラクルショッピング』にロックは合わないんですよ。そして、キレイなものも合わない。キレイすぎると、それはそれで面白いかもしれませんが、ちょうど父ちゃんのあのノリ、子どもの頃から見ている父ちゃんのノリが一番この番組に合っていたんですよ」

――依頼はそうたさん自身がなさったのですか?

そうた「依頼というより、一緒に暮らしていますから(笑)。実際、いろいろな曲をあててみたんですけど、何かちがうなっていう感じだったんですよ。それで父ちゃんに歌ってみてって頼んだら、『これだ!』みたいな曲ができあがりました。うちの父ちゃんは、歌詞のテキストを見せただけで、勝手にメロディをつけて歌ってくれるんですよ(笑)」

――実際に出来上がった曲を映像と合わせたときの印象はいかがでしたか?

そうた「一瞬、何これって思ったんですけど(笑)、途中からちゃんと納得できました。2ndシーズンのオープニングもすごいことになっていますので、そのあたりも期待してください」

――オープニングももちろんですが、2ndシーズンになって、よりパワーアップした観どころとなるポイントはどのあたりになりますか?

そうた「パワーアップした点は2点ありまして、まずは"萌え要素"ですね。ニコニコ動画などで盛り上がっているような"萌え"を自分もやりたいなって思ったんですよ。それで今回は、『けいおん!』などにも出演なさっている佐藤聡美さんに、"サトミ"というキャラで出演してもらっています。2ndシーズンは、山田とそうたにサトミさんを加えたトリオで進行するのですが、実際に始めてみたら、自分の中でうまく消化し切れていないところがありまして……。『あれ? 俺に"萌え"は作れるのか?』って、いまだに迷いながら進めている感じですね。逆にその迷いが、ひとつの形になっているのかもしれないって思っています」

――"萌え"以外のパワーアップポイントは?

そうた「もうひとつは、商品が実際に発売されることですね。たとえば『ゼリーちゃん』という商品が出てくるのですが、それを実際にクレーンゲームの景品として発売して、ちゃんとゲームセンターで取れるようになるんですよ(笑)」

山田とそうたの後ろでQRコードを掲げているのが「サトミ」。手前が実際に商品化された「ゼリーちゃん」

――すべての商品が売られるわけじゃないですよね?

そうた「もちろん全部売るわけじゃないですよ。たとえば、前回だったら"ただの長い棒"って商品があったんですよ。2mぐらいの、本当に"ただの長い棒"で、遠くの電気が消せたりするんですけど、たぶん売れないでしょうね。面白いネタほど売れないんですよ。"イスコプター"なんかも実際に売りたいんですけどね(笑)」

――"イスコプター"のベルトなら売れるかもしれませんよ

そうた「あれは高いですから(笑)。入金されたら作ります、というのならできるかもしれませんね。あと、実現できるかどうかはわかりませんが、ネタとして考えているのは、よくプラモデルがオマケに付いたガムって売っているじゃないですか。そのさらに上をいって、中古車付きガムっていうのを売ってみたいんですよね(笑)。何が当たるかはわからないんだけど、5万円でガムを買ったら中古車が付いてくる」

――あくまでもメインはガムなんですよね?

そうた「もちろんガムのオマケなんですよ。さらにそれを進めると、マンション付きガムとかもいけるんじゃないかなって(笑)。それがうまくいけば、次は住宅のほうと組んで……」

――壮大な夢ですよね

そうた「『ネットミラクルショッピング』の場合、こうやってギャグで言ったことがどんどん実現してしまうという恐さがありまして(笑)。何でもアリの破天荒なところが面白さだと思っているんですけど。いわゆる方程式のすべて逆をいっている気がしますね。まずはショッピング番組ありきで、それがギャグ番組だから、ギャグの商品を作る。そしてありえないはずの商品だったのが、いつの間にはありえる商品になっていく。すべてが逆の方向に進んでいるんですけど、それぞれのブロックが、うまい具合に、そして奇天烈に組み合わさって、作品が出来上がっている感じですね」

(次ページへ続く)