若いってすごいですね

「緊張感のない仕事はよくない」なんて言葉、聞きますよね。あれはやっぱり本当なんでしょうか?

ちょうどこの原稿を書いている現在、ライブ直前日で、歌の練習や構成とか、いろいろ考えなくてはいけないんです。私ときたら、ライブの1カ月前からそわそわ落ち着かなくなり、2週間前から焦り出し、1週間前からはあまり人に会ったりせず、お出かけも必要最低限。ここ数日はずーっと注意力散漫であります。

心臓のほうはマラソン大会のスタート直前の、あのなんとも言えない、いつピストル鳴るわけぇ!? って感じのドキドキ感が終始襲ってきます(笑)。それでもって、ずーっと宿題をやっている感じ。もしかして歌手の方々って、みんなこうですか?

本当は時間もあるのに、お誘いがあってもお出かけする心の余裕がありません。もう少しよくならないものかしらと思うわけです。多分、これはもう経験。先輩方々などを見ていると、いっぱい緊張して、ときどき「あ!」っていう失敗(?)なんかもやっちゃって、とにかく場数を踏む必要な気がします。道は長いなぁ～。

こういうことは、今のところより先に進むと、また違うおっきなハードルが出てくるわけです。人間っていくらでも成長するんですね。というより、私の成長が一般的に比べると10年ぐらい遅いので、この辺りで走っておかないといけないと思うんです。

先日、「もうなんでこうずーっと宿題やってるんだろう。やることいっぱいあるのに、いろいろほかのことする余裕がないよぉ」とお友達に嘆いていました。
友「いいじゃぁん。私なんか特に覚えなくちゃいけないこともないし、お仕事終わったら家に帰って、ワンコと戯れてるだけだもん。それが暇つぶしになって、しかもすごく楽しいの!」って言ってました。

覚えなくちゃいけないことばっかだよぉ～私。でも、それもまた楽しいですけどね。以前は、ライブ直前になって「私、家帰る!」って言ってましたから。それに比べたらちょっとは成長したかなぁ(めっちゃ志低ぅ)。そんな私ですが、よかったらぜひ一度ライブへ遊びに来てくださぁい。

先週のお話の続き

はじめてのスカバンドで、初ライブは渋谷クロコダイルでした。なんか大人な感じだなぁ、どうしようとドキドキしていたのですが、当時このスカバンドは基本が男子だけのインストロメンタルが中心だったので、大体は男子だけでステ－ジ構成は進んでいきます。

途中から「イエェ～イ、Yumi Matsuzawa～!!」とか言われ、登場する私。ズッチャズッチャのらないといけないのに、顔はかなり険しかったと思われます。そして歌。ただひたすら棒立ちで一生懸命に歌う私。その後、インスト曲ではタンバリン担当。笑わず険しい顔でタンバリンを叩く姿がコワかったと、後でライブを見に来てくれた方に言われました(笑)。

けれど、その方がのちに音楽を一緒に作る方になったわけです。実はテレビ『ASAYAN』で共演した女の子のお友達だったんですが、たまたま会ったときに「スカバンドで歌うのでライブへ来てください」なんて声をかけていたのです。その方とはいまや、オサレ(お洒落本格派)ミュージックの元祖? プロデューサーの朝本浩文さんでした。

当時はそんなことをまったく知る由もない私。
朝「僕、プロデュースとか、曲とか創ってるんだよ」なぁんて言ってたのですが、
私「(なんかこの人うさんくさい? だって見た目もかなり怪しいもんなぁ)」と、心の中で思っていたわけです。
私「で、どんな人の曲とか創ったり、プロデュースしてるんですか?」と適当に質問してみました。
朝「いろいろやってるけどね、THE BOOMとか、UAとか、佐藤聖子ちゃんとか」
なんと当時『ASAYAN』までレッスンをさせてくれていたレコード会社の、しかも私が預かってもらっていた部署がTHE BOOMもいた部署だったんです。
私「(この人、怪しい。本当にTHE BOOMとかやってるのかなぁ? UAって誰だっけ?」
UAも売れ始めな頃でそんな感じだったのですが、最後の"佐藤聖子"って名前にビビビン!

実は当時リアルタイムで佐藤聖子ちゃんのアルバムをひとりパワープレイしていた私。
私「えっ? 佐藤聖子ちゃん! 本当?! えっえっ、じゃあ、私にも曲書いてください!!」
そう話したのがきっかけでした。THE BOOMでも、UAでもなく、佐藤聖子ちゃんに引っ掛かった私。

朝「君デビューとか決まってるの?」
そんなものは何も決まっていませんよぉ。
私「デビューも、レコード会社も決まってないですけど、自分の曲が欲しいから創ってください。お願いします!」なんて言ってみました。
朝「いいよ」
私「本当ですかぁ～!」

でもぶっちゃけ私、喜んでみたものの本人を本物とは思わず(怪しいし)、プロデューサーなのか半信半疑で帰宅。すっかりそのことも忘れ、家に帰って佐藤聖子ちゃんをパワープレイ。いい曲だなぁ、これ誰が創ったんだろう? とクレジットを見たら"朝本浩文"って書いてあった。えー! マジィ～!! あの人ちゃんとした人だったんだぁ!! これはもう飛び上がるほどびっくりしました(笑)。

おぉし! じゃあ、朝本さんに曲書いてもらおう!! デビューもレコード会社も決まってないけど……と思ってみたり。若いってすごいですね(笑)。コワいものがない? ハイ、そんな感じで私の人生は進んでいきます。このお話はまたぁ。
See you soon love xx.