きょう23日、『千鳥かまいたちゴールデンアワー』(日本テレビ系、毎週水曜20:00~)がスタートする。同番組は、これまで土曜23時30分から放送されていた『千鳥かまいたちアワー』のゴールデン昇格版。「千鳥とかまいたちが、まだあまり知られていない有名人の“面白い”を発掘。絶対盛り上がる“テッパンネタ”を披露していく」というコンセプトが明かされている。

千鳥、かまいたちという人気者の組み合わせであり、日曜昼の『千鳥vsかまいたち』時代も含めると、すでに4年以上と放送実績も十分。しかし、「満を持してゴールデン昇格」という期待の声ばかりではなく、「今回は危ういかもしれない」という声も聞こえてくる。

「民放各局の中で最もマーケティングに長けている」と言われる日テレがどんな狙いを持って編成したのか。その一方でどんなリスクが考えられるのか。テレビ解説者の木村隆志が掘り下げていく。

  • 千鳥(左)とかまいたち

    千鳥(左)とかまいたち

日曜から千鳥・かまいたちが連続

日テレは2025年春の改編説明会で、千鳥、かまいたちに加えて新番組『Golden SixTONES』(毎週日曜21:00~)のSixTONESも含めた3組の名前を挙げて、「今も10年先も輝くスターの力を生かしながら魅力的なタイムテーブルを目指す」などとコメントしていた。

さらに定例社長会見でも、「今、テレビで一番勢いのある千鳥・かまいたちさんによる誰もが楽しめるバラエティを放送する」「水曜は『有吉の壁』『千鳥かまいたちゴールデンアワー』『上田と女が吠える夜』、そして枠移動して戻した「水曜ドラマ」でコア層メインの流れを作っていきたい」などと語っていた。

千鳥とかまいたちが現在テレビのトップタレントであることに異論の余地はないが、起用すれば数字がとれるほど簡単ではないだろう。今回のゴールデン昇格には「放送順の悪さ」「起用過多」という2つのリスクがある。

まず千鳥とかまいたちのゴールデン・プライム帯における出演番組を挙げていこう。

休日夜で最も視聴者の多い日曜は、すでに「千鳥とかまいたちの番組が放送される」という認識の視聴者が多い。しかも『千鳥の鬼レンチャン』(フジテレビ系、19:00~)は今春から放送頻度を上げたことで、そのイメージは濃くなっている。

続く月曜には、かまいたちがMCを務める新番組『JAPANをスーツケースにつめ込んで!~世界に日本を持ってった~』(テレビ東京系、20:00~)がスタート。翌火曜には、千鳥とかまいたちが出演する『火曜は全力!華大さんと千鳥くん』(カンテレ・フジ系、22:00~)が定着している。

そして日曜から4日目となる水曜のゴールデン・プライム帯で放送されるのが『千鳥かまいたちゴールデンアワー』。今春の編成によって同番組が放送される水曜夜には「すでに千鳥とかまいたちはお腹いっぱい」と感じる視聴者がいても不思議ではない。