これは裏を返せば、テレビ局にとってスポンサー企業へのアピールや結び付きを強めるチャンスでもあるということ。
実際、各局のテレビマンたちに話を聞くと、「正直な話、そのためのキャンペーンという感もある」「経済界と協調しておきたいテーマだから」という言葉を返す人が少なくなかった。つまり、視聴者に向けたものというより、スポンサーや国際社会に向けたキャンペーンという意味合いもあり、それが盛り上がりづらい理由の1つなのかもしれない。
だからこそ「カラダWEEK」は「キャプテン」に上田晋也、「サポーター」に福原遥、木村昴、やす子、「スペシャルサポーター」に河村勇輝、「デジタルサポーター」に&TEAM。「地球を笑顔にするWEEK」は、「キャンペーン大使」にバナナマン、上白石萌音、杉野遥亮、野口聡一、日比野麻音子アナと、活動ジャンルと年齢の異なる出演者をキャスティングして、幅広い視聴者層を引きつけようとしているのではないか。
あらためて参加番組を振り返ると、「カラダWEEK」は、『日テレアップDate!』『シューイチ』『Going!特別版』『サンデーPUSHスポーツ』『ザ!鉄腕!DASH!!』『行列のできる相談所』『おしゃれクリップ』『有吉ゼミ』『世界まる見え!テレビ特捜部』『スポーツ中継70年 歴史を変えた瞬間TOP100』『踊る!さんま御殿!!』『カズレーザーと学ぶ。』『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』『上田と女が吠える夜』『ぐるぐるナインティナイン』『秘密のケンミンSHOW極』『ダウンタウンDX』『クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?』『ウェークアップ』『ぶらり途中下車の旅』『嗚呼!!みんなの動物園』『世界一受けたい授業』『1億3000万人のSHOWチャンネル』『笑点』『真相報道バンキシャ!』『Going! Sports&News』『Oha!4 NEWS LIVE』『ZIP!』『DayDay.』『ヒルナンデス!』『news every.』『news zero』の32番組。
「地球を笑顔にするWEEK」は、『THE TIME,』『ラヴィット!』『プチブランチ』『ひるおび』『ゴゴスマ~GOGO!Smile!~』『Nスタ』『news23』『アッコにおまかせ!』『バナナマンのせっかくグルメ!!』『CDTV ライブ! ライブ!』『クレイジージャーニー』『バナナサンド』『東大王』『集まれ!内村と○○の会』『ニンゲン観察バラエティ「モニタリング」』『櫻井・有吉THE夜会』『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』『王様のブランチ』の18番組だった。
■求められるライブ感とエンタメ性
これだけの番組が参加するのだから、局内外で関わる人は多く、当然交流は活発化していく。局内の他部署や他チームとの連携はもちろん、ネット局とのやり取りも含め、本人たちが一体感を意識できる貴重なイベントになっている。
特に日テレの「カラダWEEK」は2015年から9回目だけに、8月末の『24時間テレビ』と正月の『箱根駅伝』に次ぐ局を挙げたイベントとなり、関係者に与える影響力が大きくなっているという。一方のTBSも2020年秋から春・秋の年2回ペースで通算7回目となるため、局内ではすっかり浸透しているようだ。
惜しむらくは、「その局内での影響力や浸透度が、まだ視聴者に届いていない感がある」こと。
今後は堅いテーマだからこそ、各番組も通し企画も視聴者をドキドキさせられるようなライブ感、あるいは参加して楽しいエンタメ性のあるものが求められていくだろう。例えば、X(Twitter)のトレンド入りを積極的に狙っていくような話題性のある企画でなければ、そろそろ視聴者に飽きられるとともに、制作現場のモチベーションが下がってしまうかもしれない。
前述したように、もともと局内やスポンサー向けのニュアンスがあるキャンペーンだけに、いかに視聴者を楽しませていくのか。視聴者に飽きられても、制作現場のモチベーションが下がっても、簡単には止められないものであり、「これまでの形を踏襲していく」という形式的なスタンスでは先細りしていくように見える。