冬ドラマ全体を見渡してみても『リブート』も『再会』も屈指の豪華キャストがそろう作品だった。ただ、「多くの主演級をそろえて華やかだった」というより、「実力派に絞って濃密な演技の応酬を見せた」という印象が強い。

『リブート』は、鈴木亮平、戸田恵梨香、伊藤英明、山口紗弥加、松山ケンイチ、黒木メイサ、北村有起哉。『再会』は、竹内涼真、井上真央、瀬戸康史、渡辺大知、北香那、江口のりこ、段田安則。それぞれが「味方か敵か」「正義か悪か」「本当か嘘か」がわからず入れ替わるような難しい役柄で対峙(たいじ)し、互いの演技力を引き出し合っている。

なかでもポイントとなったのが、ヒロインを演じた戸田と井上。戸田は2021年の『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』(日本テレビ系)以来5年ぶり、井上は23年の『100万回 言えばよかった』(TBS系)以来3年ぶりの連ドラであり、「ひさびさ」「待ってました」などの声があがっていた。

ともに朝ドラ主演を務めた知名度、実力ともにトップ女優の復帰作で、しかも2人が演じているのは一筋縄ではいかないミステリアスなヒロイン。美しさと危うさ、まっすぐさと悪さを兼ね備え、時に悪女として男性たちを翻弄するシーンも話題となった。

2人の人格や言動を混在させる繊細な役作りの鈴木、今にも壊れてしまいそうな熱演の竹内という主演はもちろん重要だが、語りたくなるヒロインの存在が継続視聴の動機になっているのは間違いない。

ここまで「衝撃の展開でスタート」「殺人事件をめぐる謎と大切な人との因縁」「業界屈指の脚本家」「時に悪女の顔を見せるミステリアスなヒロイン」という4つの共通点をあげてきたが、長編ミステリー最大の醍醐味はクライマックス。ここまで追いかけてきた謎がすべて明かされたとき、登場人物は何を思い、どんな未来につなげていくのか。どちらも最終話の放送中からネット上に反響が飛び交うだろう。

その他の冬ドラマで、十分な数字は獲れていないものの視聴満足度の高い作品と見られているのは、『夫に間違いありません』(カンテレ・フジ系、毎週月曜22:00~)、『東京P.D. 警視庁広報2係』(フジ系、毎週火曜21:00~)、『未来のムスコ』(TBS系、毎週火曜22:00~)の3作。これらもクライマックスは盛り上がりそうなだけにチェックしてみてはいかがだろうか。