ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けて2月24日の帰国以降、エンタメシーンはまさに大谷翔平一色と言っていいだろう。前人未踏の活躍を続ける世界一の野球選手が侍ジャパンのメンバーとして凱旋試合をするのだから当然かもしれない。

とりわけ東京ドームで行われる1次リーグの4試合は熱狂間違いなしだが、今大会は初めて地上波テレビでの放送がなくNetflixでの独占配信となる。Netflixは1カ月限定の「ほぼ半額キャンペーン」「ワンコインプラン」を用意したほか、臨場感のある映像演出で差別化を図ろうとしているが、その裏で地上波はどんな番組で対抗するのか。

日本テレビを中心としたPR特番や情報番組での扱いも含め、その現実と今後の行方。さらにWBC終了直後に起こりそうな影響なども含め、テレビ解説者の木村隆志が掘り下げていく。

  • Netflixの取材会より

    Netflixの取材会より

日本プールの4日間は影響必至

まずWBCにおける侍ジャパンの日程をあげておこう。

1次ラウンドは6日(金)にチャイニーズタイペイ戦、7日(土)に韓国戦、8日(日)にオーストラリア戦、10日(火)にチェコ戦がいずれも19時開始で行われる。

その1次リーグは5チーム中上位2チームがアメリカでのトーナメント戦に進出。15日(日)10時から準々決勝、16日(月)か17日(火)の9時から準決勝、18日(水)9時から決勝が行われる。

つまりテレビ局が大きな影響を受けるのは1次ラウンドの4試合であり、6日(金)、7日(土)、8日(日)、10日(日)のゴールデン・プライム帯ということ。準々決勝以降は午前から昼すぎにかけての試合のため、営業的な影響はそれほど大きくない。

では民放主要4局ではどんな番組が放送されるのか。まず初戦の6日(金)は、日本テレビ系が『沸騰ワード』2時間SP、『金曜ロードショー ウィキッドふたりの魔女』。テレビ朝日系が『ザワつく!金曜日』、『マツコ&有吉 かりそめ天国』、『ミュージックステーション』、『報道ステーション』。TBS系が『それSnow Manにやらせて下さい』2時間SP、『ドア×ドア クエスト』、ドラマ『DREAM STAGE』。フジテレビが『ウワサのお客さま』2時間SP、2時間特番『もうすぐ世界遺産 今のうちに行ってみたSP!』。

2戦目の7日(土)は、日テレ系が『嗚呼!!みんなの動物園』、『笑ってコラえて!』、ドラマ『パンダより恋が苦手な私たち』、『with MUSIC』。テレ朝系が『池上彰のニュースそうだったのか!!』2時間SP、『サタデーステーション』2時間SP。TBS系が3時間特番『全世界極限サバイバル2026』、『情報7daysニュースキャスター』。フジ系が『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』2時間SP、『土曜プレミアム ネタパレTHEプレミアム』を放送する。

前回大会は視聴率年間上位を独占

3戦目の8日(日)は、日テレが系3時間特番『ダマされた大賞』、『おしゃれクリップ』、ドラマ『パンチドランク・ウーマン-脱獄まであと××日-』。テレ朝系が『ポツンと一軒家』2時間SP(ABCテレビ制作)、『有働Times』、ドラマ『50分間の恋人』(ABCテレビ制作)。TBS系が『坂上&指原のつぶれない店』2時間SP、ドラマ『リブート』、『日曜日の初耳学』(MBS制作)。フジ系が『千鳥の鬼レンチャン』、『Mr.サンデー』。

4戦目の10日(火)は、日テレ系が『ヒューマングルメンタリー オモウマい店』(中京テレビ制作)、『踊る!さんま御殿!!』、『ザ!世界仰天ニュース』2時間SP。テレ朝系が『火曜の良純孝太郎2時間SP』、ドラマ『再会~Silent Truth~』、『報道ステーション』。TBS系が『THE神業チャレンジ』、『バナナサンド』、『マツコの知らない世界』、ドラマ『未来のムスコ』。フジ系が『今夜はナゾトレ』2時間SP、ドラマ『東京P.D. 警視庁広報2係』、『火曜は全力!華大さんと千鳥くん』(カンテレ制作)。

純粋な特番は6日(金)のフジ系『もうすぐ世界遺産 今のうちに行ってみたSP!』。7日(土)のTBS系『全世界極限サバイバル2026』、フジ系の『土曜プレミアム ネタパレTHEプレミアム』。8日(日)の日テレ系『ダマされた大賞』のみ。

それ以外は「レギュラー番組を放送する」という各局横並びの編成が見られる。実情としては「視聴習慣に期待してそのまま見てもらおう」「それ以外に打つ手なし」なのだろう。そんな消極的に見える判断なのも無理はない。

3年前に行われた前回大会の視聴率は、3月9日の中国戦(TBS系)が個人27.1%・世帯41.9%、同10日の韓国戦(TBS系)が個人28.9%・世帯44.4%、同11日のチェコ戦(テレ朝系)が個人28.7%・世帯43.1%、同12日のオーストラリア戦(テレ朝系)が個人%28.7・世帯43.2%。

さらに前回は準々決勝も日本開催だったが、同16日のイタリア戦(テレ朝系)は個人31.2%・世帯48.0%を記録した(いずれもビデオリサーチ調べ、関東地区)。これは2023年の年間ランキング1位の視聴率であり、その他の試合も含め上位を独占しただけに、放映権が取れなかった時点で諦観ムードが漂っている。