「やればいいと頭では分かるのですが、自信がない」
「自信さえあれば、できるのですが……」

こんな心からの叫びを、研修の中でたくさん聞いてきました。かくいう私も、かつては心からそう叫んでいた一人でした。

「自信がないからできない」、この壁を乗り越えなければ、いままで以上の成果を出すことも、なりたい自分に成長することも、たしかに達成できません。

  • 自信がないから、仕事に後ろ向きな時はありますか?(写真:マイナビニュース)

    自信がないから、仕事に後ろ向きな時はありますか?

自信とは、「自分との信頼関係」

では、「自信」とはいったいなんなのでしょうか? 自信とは、自分との信頼関係のことです。では、信頼関係はどのようにすれば構築できるのでしょうか? 信頼は「約束し、その約束を守り続ける」ことによって、築きあげられていきます。

つまり、信頼や自信とは、「あるもの」ではなく、「築き上げていくもの」なのです。ですから、「自信がないからできない」という、この考えがそもそも間違っています。

やると自分に約束し、その約束を守り続けるから自分が信頼できるようになる、すなわち「自信が手に入る」のです。

自分と小さな約束をして実践し続ける

では、具体的にはどうしたらいいでしょうか? 小さな、絶対に守れることを自分に約束し、それを実践し続けることから始めることを私はお勧めします。

逆に言えば、いきなり「毎日10km走る」なんていうハードルの高いテーマを設定するのは、自分との約束を破る、つまり自信を失うリスクが高いので危険です。お勧めするのは、私も実際にやった、「口癖を一つだけ変える」といったテーマです。

私が最初にやったのは、「すいません」という口癖を「ありがとう」に変える、たったこれだけのことでした。

そんな日々が3週間続くと、「よし、3週間、自分との約束を守り続けているぞ!」という、小さいけれど、たしかに、自分への信頼=「自信」が芽生えていたのです。

こうして小さな自信が手に入れば、もうしめたものです。あとはその自信をもとに、少しずつ自分との約束を増やしていけばいいのです。

口ぐせが変えられるんだったら

次は非言語を変えよう、もう少し口角を上げよう

口角が上げられたんだから

次は、人の話をもっと聞こう

人の話が聞けるようになったのだから

次は、1週間単位でスケジューリングをしよう

このようにして、かつてはまったく自信がなかった私も、日本の民話の「わらしべ長者」のように、少しずつ自信を増やすことに成功したのです。