忙しい毎日、食事の時間をおろそかにしていないでしょうか。時間がないからとカップラーメン、栄養ドリンクなど早く食べられるもので済ませてしまうと、栄養が偏っている可能性があります。栄養が不足すると、疲れがなかなかとれない状態になってしまいます。疲労を回復するためには、必要な栄養素が摂れる食事を選びましょう。

疲労回復にビタミンB1

忙しいと、すぐ食べられる麺類をつい選んでしまいがちです。うどんやそばなどで軽く済ませることもあるのではないでしょうか。麺類を選ぶと、糖質が多い食事になります。糖質をエネルギーとして使うためには、ビタミンB1が必要です。このビタミンB1が不足してしまうと、糖質を分解することができずに、疲労物質がたまって、疲れやすくなってしまいます。

エネルギーとなる栄養素は、糖質、脂質、たんぱく質があげられます。外食やコンビニ食生活をしている方は特に、エネルギーの多くを糖質からとる食生活になりがちですので、ご飯、麺だけでなく、おかずをバランスよく食べる必要があります。

ビタミンB1は豚肉に多いことで知られていますが、そのほかにうなぎ、大豆、豆腐、ねぎ、にんにく、玄米などにも含まれています。

ねぎやにんにくは疲労回復に効果的!

ビタミンB1はニンニク、にら、ねぎなどに含まれるアリシンという成分といっしょに摂ることで、疲労回復にさらに役立つことがわかっています。

アリシンは強い抗酸化作用がありますので、薬味としてたっぷりいれるとよいでしょう。ニンニクに含まれるビタミンB1はアリシンとくっついてアリチアミンという物質になります。ビタミンB1は余分にとると排泄されるのですが、アリチアミンは長く血液中にとどまり、ビタミンB1をゆっくり離していくため、疲労回復効果が持続するといわれています。 また、ビタミンB1は調理することによって、30~50%失われるといわれていますが、アリチアミンは水に溶けにくく、熱にも強いため、調理しても失われにくい特徴がありますので、一緒に摂るとよいでしょう。

さまざまな疲労には、ビタミン類をとる!

疲れがたまると、活性酸素が増えたり、免疫力が落ちることもあります。抗酸化作用を持つビタミン類が補える、色の濃い緑黄色野菜や果物を積極的に取り入れましょう。

また、柑橘類や酢、梅干しなどすっぱいと感じる成分であるクエン酸は、細胞がエネルギーを生む反応に役立つことがわかっており、疲労軽減につながるといわれています。旬の野菜や果物を選び、レモンやすだちなどの薬味も食事に取り入れるのがオススメです。

一汁三菜和定食を選ぶ

定食は、ご飯、魚やお肉、卵、豆腐などのたんぱく質が多く含まれる食材を使用したメイン料理、味噌汁、野菜を使用した和え物、煮物などの小鉢料理が付きます。そのため、糖質、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルなどの栄養をバランスよく食べることができるメニューです。

体が疲れているときのメイン料理は、肉がオススメです。豚肉は糖質をエネルギーへ変えるために必要なビタミンB1が豊富です。鶏肉は、抗酸化作用があり、疲労回復に役立つといわれています。特に胸肉に多く含まれるといわれ、胸肉100gを2週間食べ続けると、脳内の酸化疲労ストレスが減るという研究結果もあります。メニュー例として豚の生姜焼きや肉野菜炒め、鶏の照り焼きがあります。

体の疲れというよりも、脳が疲れていたり、気分が落ち込んでいるときは、DHAなどを含む青魚を取り入れるのがオススメです。メニュー例として、サバの塩焼き、いわしやサバ、アジなどのお寿司などがあります。

疲労回復には、休息が必要です。睡眠を十分にとることも大切ですので、バランスよく食事を摂り、ゆっくり体を休めるようにしましょう。

筆者プロフィール: 岡田明子

管理栄養士。同志社女子大学管理栄養士専攻卒業後、高齢者施設に勤務し、利用者の食事管理を行う。その後ダイエットサプリメント会社の立ち上げに関わり、自身の13kgのダイエット成功経験をいかして「食べてキレイに痩せる」ダイエットメソッドを確立。独立後は、ヘルスケア関連を中心にレシピ監修や商品開発、講演や執筆活動、テレビなどのメディア出演などを務める。2014年に一般社団法人NS Labo(栄養サポート研究所)を設立し、栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康事業のサポートとヘルスケア分野で活躍できる人材育成を行っている。著書に『朝だから効くダイエットジュース』(池田書店)など。