毎年やってくる花粉症の時期。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、眼のかゆみなど、この時期ならではの症状に悩まされる人も多いのではないでしょうか。花粉症がひどくなると、仕事に集中したくても難しくなることもあります。今回は、花粉症対策に役立つ食べ物についてご紹介しましょう。

  • つらい鼻水、鼻づまり……花粉症対策には「青魚」を食べよう

花粉から引き起こされるアレルギー症状とは

花粉症は、花粉が原因となるアレルギーの症状です。花粉に対して抗原抗体反応が起こり、免疫反応によって、鼻水、鼻づまり、くしゃみなどの症状を引き起こしています。季節性のアレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎などと診断されることが多いのですが、花粉が原因物質になる花粉症は、花粉だけでなく、ダニ、ペットなどが原因となる別のアレルギー反応と両方を合わせもつ人も多いといわれています。

花粉の原因は主にスギ花粉で、そのほかにもブタクサ、ヒノキ花粉なども原因となります。スギ花粉は、2~4月、ヒノキ花粉は3~5月まで飛散時期が続きますから、3~4月のこの時期は特に症状が悪化する人も多くなるといわれています。

原因となる物質が鼻腔に入ることで、肥満細胞がヒスタミン、ロイコトリエンなどの化学伝達物質を放出し、くしゃみ、鼻水、血管を刺激して鼻づまりの原因となりますが、繰り返すことで、症状が強くなり、慢性化する場合もあります。

花粉症の治療は、飲み薬、点鼻薬など薬物療法からレーザー治療などさまざま方法があります。眠気が出やすい薬もありますから、仕事に集中したいビジネスマンにとっては、薬選びも慎重に行うほうがよいでしょう。

花粉症時期に注意したいお肉とお酒

お肉は、たんぱく質が豊富な食材ですので、食事に積極的に摂り入れたいものです。ただ、肉の脂肪に含まれるn-6系脂肪酸が免疫グロブリン(IgE抗体)を産生しやすくなるため、抗原抗体反応が起こり、花粉症を悪化させるとも言われています。また、脂肪の多いお肉は消化しきれずに腸内で体にとって有害な物質をつくる有害菌とも呼ばれる腸内細菌を増やすことにつながり、腸内環境を悪化させる可能性があります。免疫機能の60%以上が腸に集中しているといわれていますので、腸内環境は整えておきたいものです。お肉を食べるときは、脂肪の少ないもも肉、ヒレ肉などを選び、高カロリーとなる揚げ物ではなく、焼き物や煮物などで食べるようにするとよいでしょう。

お酒は、アルコールを飲んだときに、アセトアルデヒドという物質ができます。このアセトアルデヒドは、体にとって有害といわれており、この成分がアレルギーを悪化させてしまう可能性があるといわれています。また、血管を拡張させることで、鼻づまり、眼の充血が起こりやすくなる可能性もあります。

外食でお酒を飲む機会が多い人は、おつまみで高脂肪のものを多く食べ過ぎてしまいがちです。お酒の量をほどほどにし、食事の内容も見直すようにしましょう。

花粉対策におすすめ食材は「青魚」

青魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)は、血液の流れをよくする作用があるといわれています。また、花粉症などのアレルギー症状を緩和する効果があると期待されています。魚には、n-3系脂肪酸が多いのですが、これを摂ることでアレルギー性の炎症と関係するTNFαという物質の発生が低くなるともいわれています。さば、いわし、あじ、さわらなどの青背の魚を選んで食べるようにするとよいでしょう。

効果的な「青魚」の食べ方

青魚に含まれる良質な油を効果的に摂取するためには、刺身がおすすめです。揚げ物は、魚に含まれる脂肪分が半分程度も流れ出てしまいます。焼く、煮るという調理方法も油が2割程度流れでてしまうのですが、ホイル焼きにして流れ出た油も一緒に食べられるようにしたり、煮汁も食べられる調理方法にすると無駄にせずに効果的に摂ることができます。

花粉症の症状は人によって個人差がありますが、ストレスや睡眠不足、喫煙などの生活習慣も花粉症の症状を悪化させる原因になるといわれています。適度な運動をしてストレス発散をするなど生活習慣を見直しながら、食事に青魚を取り入れてみましょう。

筆者プロフィール: 岡田明子

管理栄養士。同志社女子大学管理栄養士専攻卒業後、高齢者施設に勤務し、利用者の食事管理を行う。その後ダイエットサプリメント会社の立ち上げに関わり、自身の13kgのダイエット成功経験をいかして「食べてキレイに痩せる」ダイエットメソッドを確立。独立後は、ヘルスケア関連を中心にレシピ監修や商品開発、講演や執筆活動、テレビなどのメディア出演などを務める。2014年に一般社団法人NS Labo(栄養サポート研究所)を設立し、栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康事業のサポートとヘルスケア分野で活躍できる人材育成を行っている。著書に『妊娠できる体は食から 30代からの妊活食』(KADOKAWA/角川マガジンズ)など。