年末は、飲み会に参加する機会も多くなります。ついつい食べ過ぎたり、飲み過ぎた翌日に二日酔いで気分がすぐれない、翌日の仕事が辛い、なんてことは誰でもあるでしょう。翌日の体調不良を克服するためには、何を食べればよいのか、おすすめをご紹介します。
二日酔いの原因って?
吐き気やだるさ、頭が痛いなど、辛い症状のある二日酔いはどうして起こるのでしょうか。二日酔いは、飲み過ぎが原因です。肝臓が分解できる能力よりも多くアルコールを飲んでしまうことが二日酔いを引き起こしてしまいます。
二日酔いからくる辛い症状の主な原因として、大きく3つあげられます。1つ目は、アルコールの飲み過ぎによる脱水症状。頭痛やめまいなどを引き起こします。アルコール類は利尿作用があり、尿として排泄するため水分が使われていきます。2つ目は、肝臓で分解できず体内で過剰に発生したアセトアルデヒドが、血中を巡るために、吐き気や頭痛といった症状を引き起こします。そして3つ目は、お酒を飲み過ぎたり、食べ過ぎたりすることで胃の炎症が起こり、胃が重い、胸やけがするなどの症状があらわれます。
二日酔いを予防するためには?
空腹でお酒を飲まないようにしましょう。胃の中が空っぽのままで飲むと、胃が荒れやすくなり、酔いのまわりも早くなります。アルコールの分子はサイズが小さく、胃の粘膜を通り抜けるため刺激になりやすくなっています。アルコールの血中濃度を急激に上げてしまうと二日酔いの原因となるだけでなく、脂肪の合成を促してしまい、太る原因にもなります。
アルコールは胃や十二指腸から吸収されるため、胃の中にあらかじめおつまみなどの固形物を入れておくようにしましょう。そうすると、お酒を飲んでもしばらく胃に留まり、食べ物を消化しながら、少しずつ腸へと送られていくことから、アルコールの吸収のスピードも緩めることができます。
アルコールのほとんどは小腸で吸収されます。胃でアルコールが長くとどまることで、小腸へ送られる時間を遅くし、アルコールの血中濃度の急上昇を防ぐことができるのです。 また、アルコールは脱水になりやすいため、お酒を飲みながらお水を一緒に飲むようにすることも二日酔いの予防になります。水を飲むときは、一度にたくさん飲むのではなく、分けて飲むようにしましょう。胃や腸の中に入ったアルコールの濃度を薄める効果も期待できます。
飲んだ翌日は豚汁を食べよう
翌日の食事は、まず水分を補給するようにしましょう。アルコールに利尿作用があるため、脱水状態になっている可能性が高く、また、おつまみなど外食で塩分の多い食事を取っている場合が多いため、多すぎる塩分を体の外に出そうとして働くときにも水分を使っています。この脱水の状態から、頭痛やめまいなどの症状が引き起こされていることも多いことから、まずは水分を補給することが大切です。
その点、豚汁は水分が補給できるだけでなく、味噌から塩分も補給できます。二日酔いの場合、胃が荒れてしまっていることも多いため、お水をそのまま飲むよりも、塩分が少しある方が、刺激が少なくなります。
また、葉物野菜やネギなどの野菜を具材として入れることで、ビタミン類を補給することができます。アルコールを飲むと、ビタミンB1が多く消費されます。ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変える働きがあり、アルコールの代謝にも関わっているビタミンです。ビタミンB1を多く含む豚肉を食べることで、ビタミンB1の欠乏を防ぎ、二日酔いの回復に役立ちます。
二日酔いにならないようにするためには、自分の適量を知って、アルコールを飲むようにすることが大切です。また、十分に睡眠をとることで、アルコール分解のために働いた肝臓の疲労回復にも役立ち、二日酔いの防止につながります。飲み過ぎたときは、水分をしっかり取り、やわらかく野菜を煮た豚汁を食事に取り入れ、体を回復させましょう。
筆者プロフィール: 岡田明子
管理栄養士。同志社女子大学管理栄養士専攻卒業後、高齢者施設に勤務し、利用者の食事管理を行う。その後ダイエットサプリメント会社の立ち上げに関わり、自身の13kgのダイエット成功経験をいかして「食べてキレイに痩せる」ダイエットメソッドを確立。独立後は、ヘルスケア関連を中心にレシピ監修や商品開発、講演や執筆活動、テレビなどのメディア出演などを務める。2014年に一般社団法人NS Labo(栄養サポート研究所)を設立し、栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康事業のサポートとヘルスケア分野で活躍できる人材育成を行っている。著書に『妊娠できる体は食から 30代からの妊活食』(KADOKAWA/角川マガジンズ)など。