パソコンやデスクワークなど、同じ姿勢で長時間仕事をすると、頭痛や肩こりの症状に悩まされることもあるのではないでしょうか? それは、血液の流れが悪くなっていることが原因かもしれません。そこで今回は、血行を良くするためにおすすめの食材をご紹介します。

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頭痛、肩こりの原因

頭痛には、いろいろな種類がありますが、パソコン操作など同じ姿勢を長時間とることで起こりやすいものは緊張型頭痛と呼ばれます。筋肉が緊張して、肩や首の血流が悪くなっていることが原因です。同じ姿勢で長時間の作業を行わないことや、こまめに首や肩を動かして、簡単なストレッチを行うことで、頭痛の予防につながります。

肩こりも、デスクワークやパソコンが原因としてよく起こる症状です。同じ姿勢を長時間とり続けることで、首や肩の筋肉が緊張して、疲労が溜まり、肩こりになるのです。細かな字を見続けることで、眼精疲労を伴うこともあります。中高年になると動体視力も低下してきます。そのため、パソコンのスクロール画面を目で追うと、非常に疲れるといわれています。画面をじーっと見続けるのではなく、意識して、視線をこまめに横にそらすなど工夫すると肩こりの予防につながります。

そうとはわかっていても、仕事の内容によってなかなか改善が難しいこともあります。肩こりの原因の多くは、血行不良によるものです。血行をよくする作用のある栄養素を食事に取り入れることで、肩こり改善が期待されます。

血流の改善に! おすすめはビタミンE

ビタミンEは抗酸化作用があることで注目されている栄養素です。体の中の脂質の酸化を防ぎ、体を守る働きがあることから、老化防止の効果が期待されています。また、大気汚染物質、たばこの煙などを吸い込むことによりダメージを受ける体内の細胞を守る働きもあります。

ビタミンEは、過酸化物質を分解することで、血液中に粘りのある物質が流れ出すのを防いで血行をよくする働きがあり、血管拡張を促して、血液が血管の中で固まるのを防ぐ作用があります。そのため、末梢の血管まで血液が届き、冷え性の改善にも役立ちます。自分で体温管理することが難しい環境で仕事をしている方や、室内と室外の気温差が激しい真夏や真冬の季節にもおすすめの栄養素です。

ビタミンEが不足した場合は、血行が悪くなり、頭痛、冷え性、肩こりなどが起こりやすくなります。

ビタミンEを多く含むうなぎ

うなぎはビタミンEを多く含む食材です。食欲不振になりがちな季節にスタミナがつく食材としてよく食べられています。また、疲労回復に効果的なビタミンB1も多く含むので血流を良くするだけでなく、疲労物質を溜めにくくし疲れによる肩こりの改善にも期待が持てます。

そのほか、ビタミンEは、かぼちゃやナッツ類にも多く含まれています。おかずの一品に、かぼちゃの煮物をプラスしたり、おやつとして、ナッツを食べるのもおすすめです。間食として食べるときは、脂質が多く含まれているので食べ過ぎないよう10粒程度を目安に食べましょう。

ビタミンEを摂りすぎるとどうなる?

過剰にビタミンEを摂りすぎた場合、血液が固まりにくくなるといわれています。ビタミンEは脂溶性のビタミンですが、実際に摂取した量の3分の2は便として排出されるため、通常の食事で摂りすぎることを心配する必要はなく、過剰症の害が少ないビタミンとして知られています。

ただし、サプリメントからもビタミンEを摂っている場合は、いつの間にか摂りすぎている可能性がありますので、サプリメントの用法、用量を守って使用するようにしましょう。

頭痛や肩こりが続くと、仕事もはかどらなくなってしまいます。ビタミンEが摂れる食事を上手に活用していきましょう。食事だけでなく、時間を見つけてこまめに肩を回すなどのストレッチをすると、さらに血流もよくなり辛い症状の緩和につながります。

筆者プロフィール: 岡田明子

管理栄養士。同志社女子大学管理栄養士専攻卒業後、高齢者施設に勤務し、利用者の食事管理を行う。その後ダイエットサプリメント会社の立ち上げに関わり、自身の13kgのダイエット成功経験をいかして「食べてキレイに痩せる」ダイエットメソッドを確立。独立後は、ヘルスケア関連を中心にレシピ監修や商品開発、講演や執筆活動、テレビなどのメディア出演などを務める。2014年に一般社団法人NS Labo(栄養サポート研究所)を設立し、栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康事業のサポートとヘルスケア分野で活躍できる人材育成を行っている。著書に『妊娠できる体は食から 30代からの妊活食』(KADOKAWA/角川マガジンズ)など。