異国エジプトで働いていた「おろぐちともこ」が、仕事を含む現地生活をマンガとコラムでご紹介。ピラミッドだけじゃない「エジプト」をお楽しみください。(毎週火曜更新予定)

【もっと増やせばいいのに…!】

アブシンベルへ旅行したときのこと。普段は安宿に泊まる私ですが、このときはちょっと奮発して、中庭にはプールがある星つきのいいホテルに泊まりました。季節的にまだ暑くなかったので、カラッとした気候とそよそよとあたる風の気持ちのよいこと…! ああ、こんな素敵な場所だと、シーシャ(水タバコ)が吸いたくなっちゃいます!!

エジプトの高級ホテルでは、たいていプールサイドにカフェバーが併設されていて、そこでシーシャをオーダーすることができます。過去にも別のホテルで頼んだ経験もあったので、当たり前のようにシーシャをオーダーしたのですが、ウェイターはこう言いました。

「このホテルではシーシャは1台のみです。今他の人が吸っているので、終わるまでお待ちください」と!!

それを聞いて、「は!?」とびっくりしてしまった私。絶対、お客さん逃がしているし、せっかくのビジネスチャンスが…!! 需要は絶対にあるはずです。「なんで1台だけなの? シーシャ吸う人は他にもいるはずだし、1台だけじゃもったいないから絶対に増やした方がいいですよ!!」と伝えてました。

しかし、ウェイターは「まあ。そんなに吸う人はいないし…」と、ニコニコとマイペース。ええーじゃあこの地域ではそうなのかな…とひとまず飲み込みました。

ホテルからの眺め。美しいナセル湖

それから少し経って、ようやく回ってきたシーシャ。それを気持ちのよい空気の中でゆっくりと堪能し、それからホテルの中庭を少し散歩しました。

しばらくしてまたバーに戻ると、シーシャを吸う宿泊者の姿が…。私が吸い終わってからそんなに時間も経ってないし、ってことは需要、あるじゃん…と1人つっこみのつぶやきを入れてしまったのでした。


おろぐちともこ
大学時代古代エジプトを勉強していたためエジプトの地を踏むこと6回。7回目に踏み入れた2011年より数年間エジプトで働く。
現在はエジプト人による日本語雑誌を中心に、漫画を描いたりアシスタントをしたりと、国境を越えて活動中。至上の喜びは、素敵なカフェで水タバコの煙をゆらしながら、ぼけっとお茶をすること。生活記Blogつぶえじでは、現地の生活の様子を不定期に発信している。