和歌山県といえば太平洋に広く面し、温暖な気候から「フルーツ王国」として知られています。みかん、梅、柿は日本一の収穫量を誇ります。世界遺産でパワースポットとしても人気の「熊野本宮大社」や「熊野古道」があるなど、古くから続く信仰の地という一面も。

  • 和歌山県のライバル

この和歌山県にライバルがいるとすればどの都道府県なのでしょうか。本記事ではマイナビニュース会員を対象にアンケート調査を行い、結果をランキングにまとめました。寄せられた「ライバルだと思う理由」もご紹介しますので、ご自身のイメージと比べてみてください。

和歌山県にライバルの都道府県はあると思う?

「和歌山県にライバルの都道府県があると思うか」を聞いたところ、回答は以下のようになりました。

ある…57.5%
ない…42.5%

和歌山県のライバル県ランキング

和歌山県のライバルだと思う都道府県を、上の質問で「ある」と答えた方に聞いてみました。得票率の多い順にランキングにまとめると、以下の通りです。

1位 三重県(19.9%)
2位 愛媛県(18.2%)
3位 奈良県(14.8%)
4位 静岡県(7.4%)
5位 千葉県(3.4%)
6位 茨城県(2.3%)
7位 岐阜県(1.7%)
7位 愛知県(1.7%)
7位 滋賀県(1.7%)
7位 島根県(1.7%)
7位 高知県(1.7%)
7位 徳島県(1.7%)
7位 宮崎県(1.7%)
7位 熊本県(1.7%)

ここからはランクインした都道府県の概要と、アンケートに寄せられた「ライバルだと思う理由」などをご紹介します。

1位 三重県(19.9%)

  • 三重の伊勢神宮

    三重県の伊勢神宮

和歌山県のライバル県ランキング、1位は「三重県」でした。紀伊半島の西側にある和歌山県と、両翼のように東側に広がっているのが三重県です。太平洋と伊勢湾に面し、伊勢海老や牡蠣などのほか、海女漁によるうに、あわび、サザエなどが名物。志摩半島の英虞湾(あごわん)では真珠の養殖が行われています。

三重県といえば「伊勢神宮」を思い浮かべる方も多いでしょう。皇室の祖先神がまつられている神社で、世界的にも有名。参道の周辺では赤福や伊勢うどんなどが楽しめます。ほかにも、三重県四日市市には大規模な石油化学コンビナートがあり、夜景スポットとして人気を集めています。

実は、日本唯一の「飛び地」である和歌山県北山村は、三重県と奈良県にまたがる場所に位置しています。地域間の歴史的な関係性からこうなったのだとか。三重県と和歌山県の、なんともユニークなつながりです。

ライバルだと思う理由

「熊野古道でつながっているから」(69歳男性)
「大阪、名古屋という大都市にそれぞれ隣接しているから」(60歳男性)
「隣同士でどちらの県にも海があり、和歌山県はクエ、三重県は伊勢海老とそれぞれに名物があるので」(54歳男性)
「伊勢神宮と熊野本宮大社と、神秘的な観光スポットがある点が似ているから」(64歳男性)

2位 愛媛県(18.2%)

  • 愛媛県

    愛媛県

2位は「愛媛県」でした。愛媛県といえば、和歌山県と同じ「柑橘王国」。温州みかんの収穫量は、全国1位が和歌山県、2位が愛媛県となっています。ただし、愛媛県では「伊予柑」や「紅まどんな」などの中晩柑類の栽培も盛んで、柑橘類全体でみると愛媛県が全国一の収穫量となっています。

海に広く面する愛媛県では漁業も盛んです。特に九州寄りの宇和海はリアス海岸が続き、多種多様な魚の生息地になっています。小魚を骨ごとすり下ろして作るじゃこ天や、鯛を丸ごと炊き込む鯛めしは愛媛県の代表的な郷土料理です。歴史ある道後温泉や、しまなみ海道の起点である今治市も有名。

ライバルだと思う理由

「どちらもみかんの生産で有名なので、全国トップを争っているイメージ」(50歳女性)
「みかんだけでなく、美味しい魚介類も豊富だから」(62歳男性)

3位 奈良県(14.8%)

  • 奈良県

    奈良県の若草山

3位は「奈良県」でした。紀伊半島の内陸側、和歌山県の東隣に位置するのが奈良県です。和歌山県と奈良県にまたがる紀伊山地は霊場として知られ、世界遺産の「紀伊山地の霊場と参詣道」には奈良県を通る参詣道も含まれています。吉野の一帯は山桜が咲き乱れる名所であり、吉野杉や吉野葛の産地になっています。

奈良県にある数多くの寺社仏閣は、世界遺産に登録されています。代表的なものは、世界最古の木造建築物とされる「法隆寺」、鑑真が建立して蓮の名所ともされる「唐招提寺」、阿修羅像で知られる「興福寺」など。「東大寺」のある奈良公園は鹿の生息地で、その数は1000頭を超える多さです。

ライバルだと思う理由

「地理的に近いし、雰囲気も似ているから」(59歳女性)
「高校野球で強豪校があり、ライバル関係にあるから」(40歳男性)
「和歌山県の熊野古道と、奈良県の大峯奥駈道」(53歳男性)

4位 静岡県(7.4%)

4位は「静岡県」でした。和歌山県と同様に、静岡県も太平洋に面した温暖な気候が特徴です。あじやぶり、かつおなどが水揚げされるほか、駿河湾では桜えびが名物。また、日本有数の水揚げ量のある焼津港は、まぐろ遠洋漁業の基地となっています。

静岡県はみかん栽培も盛んで、収穫量は和歌山県、愛媛県に次いで全国3位。わさびやお茶の生産量はともに日本一です。そして、静岡県といえばものづくり産業が盛んなことでも有名。世界的企業の「ホンダ」、「ヤマハ」、「スズキ」は浜松が発祥地とされています。楽器製造メーカーが多いことも特徴です。

ライバルだと思う理由

「みかんの産地としてライバルなのでは」(51歳女性)
「和歌山県も静岡県も、みかんとお茶で競争してそう」(75歳男性)

5位 千葉県(3.4%)

和歌山県のライバル県ランキング、5位は「千葉県」でした。どちらの県も、太平洋にせり出した半島にあるという共通点があります。温暖な気候は果物栽培に適していて、なし、すいか、メロン、いちご、びわなどその品目は多数。もちろん野菜も多品目にわたり、近郊産地として重要な役割を担っています。

大都市に隣接する県というのも共通点です。大阪府に接している和歌山県に対して、千葉県が接するのは東京都。その存在感にかすんでしまう印象もありますが、シャチやベルーガなど大型の生きものを鑑賞できる「鴨川シーワールド」や、日本最大級の砂浜が続く「九十九里浜」があるなど、千葉県ならではの魅力はたっぷり。

ライバルだと思う理由

「水産物がどちらも豊富。大都市の台所という立ち位置も似ていると思う」(65歳男性)
「港町が多い、有名な水族館がある、醤油の醸造所が多いなど、共通点が意外に多いから意識してしまうのでは」(49歳女性)

6位 茨城県(2.3%)

6位は「茨城県」でした。茨城県も太平洋に広く接し、漁業も農業も盛んな県。れんこん、ピーマン、白菜など、生活に身近な野菜の生産量は日本一。耕地面積は北海道、新潟県に次ぐ全国3位の広さだとされています。さつまいもの産地としても有名で、干し芋は全国シェアの約9割を占めるとも。

茨城県の主な観光地には、広さが琵琶湖に次いで全国2位の「霞ヶ浦」、インスタの映えスポットとして人気の「国営ひたち海浜公園」、世界最大の青銅製大仏とされる「牛久大仏」、日本三名園のひとつ「偕楽園」など。都道府県魅力度ランキングでは、2024年に初めて最下位から脱出したことが話題になりました。

ライバルだと思う理由

「徳川御三家で、紀州に対して水戸だから。歴史にこだわる人もいると思うので」(55歳男性)

7位 岐阜県(1.7%)

和歌山県と違って海のない内陸県ですが、日本アルプスがそびえる山がちな土地であることや、日本三大清流に数えらえれる「長良川」が注ぐなど、自然豊かであるという点は同じ。関ケ原など歴史の舞台となった場所があることも、古くから信仰の場所とされてきた和歌山県との共通点といえます。

7位 愛知県(1.7%)

愛知県は、東京都、神奈川県、大阪府に次いで人口が4番目に多い県です。和歌山県は自然豊かなことから漁業や農業が盛んですが、愛知県で盛んなものは製造業。特に豊田市の周辺にはトヨタ自動車の工場、部品メーカーなどが集中しています。観光地では「ジブリパーク」、「名古屋城」、「熱田神宮」などが定番。

7位 滋賀県(1.7%)

琵琶湖が県土の約6割を占めている滋賀県も、和歌山県と同じように自然豊かな県。琵琶湖では鮎漁やます漁などが行われています。湖畔には国宝の「彦根城」がそびえ、京都府との県境にある比叡山には、788年に最澄が創建したとされる世界遺産の「延暦寺」も。歴史を感じられるスポットが充実しています。

7位 島根県(1.7%)

和歌山県は太平洋に面していますが、島根県が面するのは日本海。いか、のどぐろ、ズワイガニなど、日本海ならではの豊かな海の幸が揚がります。宍道湖など、しじみの一大産地も。観光地では、縁結びの神としても知られる「出雲大社」、現存天守で国宝の「松江城」などが代表的です。

7位 高知県(1.7%)

高知県は、和歌山県と同じように広く太平洋に面し、温暖な気候が特徴です。四国のなかで面積が最も広く、その約8割は森林だとされています。「最後の清流」と呼ばれる四万十川も流れ、自然豊かで大きな川が流れているところなども和歌山県に似ています。坂本龍馬ゆかりの地としても有名。

7位 徳島県(1.7%)

和歌山県とは、紀伊水道を挟んで向かい合うところに位置する徳島県。和歌山港と徳島港はフェリーで結ばれ、約2時間15分で行き来することができます。鳴門海峡では潮の干満差に合わせて渦潮が発生し、それを見学するツアーが人気です。夏の風物詩「阿波おどり」には100万人の観光客が訪れるとも。

7位 宮崎県(1.7%)

宮崎県は沖合を流れる黒潮の影響で、一年を通して温暖な気候。温かさを利用してきゅうりやピーマンなどの促成栽培が盛んです。日照時間の長さも全国トップクラスで、日向夏やマンゴーなどを栽培する「フルーツ王国」でもあります。観光地では絶景が楽しめる「高千穂峡」のほか、パワースポットも充実しています。

7位 熊本県(1.7%)

和歌山県と同じように、熊本県ではみかん栽培が盛んです。収穫量では全国1位が和歌山県、次に愛媛県、静岡県と続き、4位が熊本県となっています。デコポン(不知火)の産地としても有名です。観光地は、世界最大級の火山とされる「阿蘇山」や、熊本県のシンボル「熊本城」、天草諸島の隠れキリシタンの遺構など。

和歌山県のライバル県、キーワードは「信仰の地」や「みかん」など

和歌山県のライバル県ランキングをご紹介しました。1位が「三重県」、2位が「愛媛県」、3位が「奈良県」という結果になりました。ライバル県ランキングでは1位の都道府県が圧倒的な票を獲得することも多くありますが、和歌山県の場合は3位までがきっ抗。自他ともに認める「ライバル県」がいるというわけではなさそうです。

三重県を選んだ理由として、「紀伊半島を形づける重要な県」という両県の共通点や、「伊勢神宮」、「伊勢路」などのパワースポットがあるからという声が多くありました。また、和歌山県は大阪、三重県は名古屋と、大都市圏に隣接してその陰に隠れがちという印象を持つ方も多いようです。

愛媛県は「みかん王国」のライバルとして、奈良県は寺社仏閣が数多くあることから「信仰の地」として和歌山県のライバルではないかという声も。徳川御三家ゆかりの地として、静岡県と茨城県も選ばれていました。

アンケートに寄せられたコメントを見ると、「ライバル県」といってもライバルとして火花を散らすわけではなく、同じ共通点をもって切磋琢磨する関係と見なす方が多いようです。あなたもご自身の出身地や今暮らす土地に、ライバルがいるとすればどの都道府県なのか考えてみませんか。

調査時期: 2025年1月14日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男女合計307人(男性: 219人、女性: 88人)
調査方法: インターネットログイン式アンケート