「旨くて、安いラーメンが食べたい」。1杯1,000円を超える高級ラーメンも多いが、手軽で・旨くて・さらに安くラーメンが食べられるのなら最高だ。全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター・井手隊長が、旨くて安いアンダー700円のラーメンを紹介する。

今回は、京都・四条烏丸の「らーめん 蔵」|だ。

  • 京都・四条烏丸「らーめん 蔵」


京都の四条烏丸を歩いていたら、気になるラーメン店を見つけた。
見つけた、というと嘘で、ラーメンののぼりとA型看板を見つけたが、入口が一切見当たらないのである。気になりすぎて、行ってみることにする。

まず入口がなく、ボロネーゼ専門店「BIGOLI」の入口右側にある扉が目印だ。

ここに説明等が書いてあり、席番号の書いてある木札を取って「BIGOLI」に入店し、「ラーメンを食べに来ました」と告げる。すると、店の奥にある蔵に通される。

ここは今年3月オープンの完全セルフが話題の新店「らーめん 蔵」。
「完全セルフ」と一言で言ってもレベルの違うセルフさだった。

メニューを見て決めたら、壁にある黒電話でオーダーし、席でセルフ会計。自分でお釣りも取り、領収書も欲しければ自分で書くシステム。

「京出汁醤油らーめん つぼみ」を注文。京都のど真ん中でビックリの690円だ。

水と箸を準備して待っていると、店員さんがおかもちを持って登場し、ラーメンが提供される。
そして、静寂の中一人で食べるというシステムだ。

具は油かす、ネギ。
麺は極太縮れ手もみ風の麺屋棣鄂製。

スープは昆布や魚介系に白出汁、醤油、みりんなどを加えたあっさり系で、上にマー油がかかるのが特徴。
シンプルだがクセになる味わいで美味しい。マー油と手もみ麺がかなりいい相性で、シンプルながらよくできている。牛の腸を揚げた油かすも関西らしくて良い感じだ。
値段を抑えながらとても美味しい一杯を作っていて感心してしまった。

最後に丼を下げ、机を拭くと10円がキャッシュバックされる。これも自分でお釣りのところから取るシステムだ。

なかなか貴重な体験。食べている時は孤独だが、店員さんは実はとてもフレンドリー。
ムダを省きながら低価格を保っているように見えて、この形を続けるには結構ご苦労があるに違いない。 これは語りたくなるお店だ。ぜひ行ってみてほしい。

らーめん 蔵(入口の無いラーメン屋)
京都府京都市中京区阪東屋町664-7 「BIGOLI」奥庭
075-748-1570