「旨くて、安いラーメンが食べたい」。1杯1,000円を超える高級ラーメンも多いが、手軽で・旨くて・さらに安くラーメンが食べられるのなら最高だ。全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター・井手隊長が、旨くて安いアンダー700円のラーメンを紹介する。
今回は、東京・新橋の「長浜らーめん 呑龍」だ。
博多豚骨ラーメン。
全国のご当地ラーメンの中でも人気はトップクラスで、札幌味噌ラーメンとともに知名度は全国1,2を争う。
「博多一風堂」や「一蘭」のような有名店が店舗展開することによって全国的な人気となり、都内でも博多豚骨ラーメンを提供するお店は数多い。
ただ、都心向けにアレンジしているお店や女性にも食べやすく作っているお店、わかりやすい濃厚さを演出するお店など、本場とはまた違った博多豚骨ラーメンが増えてきているのも事実。
そんな中で本場っぽい一杯が食べられるお店はなかなか貴重なのである。
今日は新橋の「長浜らーめん 呑龍」をご紹介する。
「長浜ラーメン」とは博多漁港に面する長浜で生まれたラーメンで、魚市場で働く人たちに愛されるご当地ラーメンだ。「博多ラーメン」と比べてあまり知られていないが、実際、「長浜ラーメン」と「博多ラーメン」の明確な違いは現地でもなくなってきている。どちらも白濁の豚骨スープに極細麺を合わせているのが 特徴だ。
「呑龍」は新橋駅の汐留側すぐの場所で20年以上続く長浜ラーメンのお店。 駅からすぐの第一京浜沿いにあるお店だが、新橋駅から汐留方面への地下連絡通路を使うと通過してしまう場所なので意外と穴場である。
こちらが「長浜ラーメン」。新橋のど真ん中で650円ととてもリーズナブル。具はチャーシュー、ネギ、きくらげ。麺は極細ストレート。
長くやっているお店ということもあり、変に都心向けのアレンジをしておらず、真っ直ぐな長浜ラーメンで本場感があって嬉しい。カエシが少し甘めで、豚骨の乳化は強くないが旨味はしっかりしている。大変美味しい。
卓上の紅生姜、辛子高菜、ゴマもよく合う。
「替玉」は2種類の麺から選べるのが面白く、細めの「長浜麺」(デフォルトはこちら)と、若干太めの「博多麺」から選べる。 「博多麺」は少しモチッとした食感でこれも美味しい。卓上のタレを少し足して味を強くしたり、味変アイテムを追加したりしてもOKだ。
豚骨ラーメンの原点のような一杯で嬉しい。都会のど真ん中でいい意味でスレていない豚骨ラーメンを食べられるのは意外と貴重である。 是非お試しあれ。