• 『IPPONグランプリ』(11月30日21:00~23:10)
    松本人志が大会チェアマンを務め、10人の芸人が大喜利で競い合うバラエティ番組。11月30日放送の第22回大会には、秋山竜次(ロバート)、せいや(霜降り明星)、大悟(千鳥)、田中卓志(アンガールズ)、千原ジュニア(千原兄弟)、博多大吉(博多華丸・大吉)、バカリズム、ハリウッドザコシショウ、堀内健(ネプチューン)、山内健司(かまいたち)が出場する。
    写真は、松本人志(後方画面)とAブロックの出場者 (C)フジテレビ

――次の『IPPONグランプリ』(11月30日放送)で、新たな試みはあるのでしょうか?

前回、松本さんから「こんなのどう?」と言われて、架空の「芸人自己紹介大喜利」というのをやったんですけど、すごく面白くて。それをまたやってみるか、松本さんは「食レポ大喜利」っていうのはどうだと言ってました。今回も1問は今までと違うものをやってみてもいいんじゃないかと、松本さんと話しています。

出演者も今回はハリウッドザコシショウさんと霜降り明星のせいやさんが初出場です。『ドキュメンタル』(Amazonプライム・ビデオ)で無双しているザコシショウさんが大喜利をやったらどうなるか非常に興味があってオファーをしました。せいやさんはモノマネもできるし、発想も面白いので個人的にはものすごくポテンシャルが高い方だと思っているので、期待しています。

――お題はどれくらいの時期から考え始めるんですか?

今回の収録は11月中旬なのですが、僕らディレクターと(放送)作家さんは8月から会議で話し始めて、お題を出していって、9月から松本さんと会議をしていくというのを隔週でどんどんやっていく感じですね。

――どれくらいの数のお題を考えるんですか?

決勝やサドンデスも考えると20問くらいは用意するので、それに向けて1,000問は余裕で考えてると思います(笑)。その中で厳選した50~100個を松本さんに見せて、「これはいいね」とか「これだとボケじろが広すぎて面白くならないから、もう少し狭くしたほうがいいかな」とか全部アドバイスしてくれて、収録に入るという感じですね。

――そうすると、「写真で一言ルーレット」の写真は相当な数から選ぶのでしょうね…。

「もう本じゃん!」っていうくらいの量の写真を全部見て選んでいく感じですね。自分たちでボケを想像しながらやりますし、「これは何か面白いことを言ってくれそう」と思いながら選んでいきます。かと言って面白すぎる写真だと、大喜利しづらかったりしますし、結構選ぶのには苦労しますね。松本さんはよく「簡単すぎちゃダメ。これだけ手だれの人たちが解答者なんだから、ちょっと難しくてもいいぐらい」っておっしゃいますね。

■また『めちゃイケ』メンバーと番組を

――今後、こういう番組を作ってみたいという構想はありますか?

今、総合演出をやらせてもらってる全ての番組が2代目とか3代目なので、1つくらいは0から立ち上げた番組を成功させたいですね。入社試験で「何を作りたいの?」って聞かれたときに、「『ハモネプ』のおかげで僕の大学の周りではアカペラをやってる人がたくさんいるんです。そういうムーブメントを起こす番組を作りたいです」と言って入りましたから。『めちゃイケ』も「数取団」とかブームを作ってきたじゃないですか。せっかくテレビ局に入ったからには、1つくらいはムーブメントを起こすようなものを作って死にたいなと思いますね(笑)

――『めちゃイケ』メンバーの人たちと番組を立ち上げたいという思いはいかがですか?

もちろんチャンスがあればやりたいです! でも、まだ何の実績もない人間なので、まずは『ダウンタウンなう』『IPPON』『すべらない話』でしっかりと成果を出して、会社に「日置の作るものは面白いな」と思われるようになれば打席は回ってくると思うので、今はダウンタウンさんの元で修行させていただいて、成長できたら。もう40歳手前なので、成長なんて言ってる場合じゃないんですけど(笑)

――「テレビは規制が厳しくなってきた」とよく言われたりしますが、現場で感じることはありますか?

テレビは時代を映す鏡とかって言うじゃないですか。つまり、昔面白かったやつも今見返したらめっちゃ怖いことしているとか、危ないなあって思って笑えないものってあるんですよ。見ている人がそのブレーキを踏むのであれば、僕らはそのルールを守らなきゃいけないと思うし、その時代に合った面白いものをちゃんとアジャストして作らなきゃいけないなと思いますけどね。

――「若者のテレビ離れ」と言われることについてはいかがですか?

でも、自分が大学生のときにテレビをものすごく見ていたかって言われたら、ゴールデンの番組なんて見てなくて、やっぱり外で友達と遊んだり飲みに行ったりとかしていましたからね。深夜番組はかなり見ていたと思いますけど。ただ、1つ思うのは、大人が「テレビは面白くない」って言い過ぎなんじゃないかなって。それなりに若者は面白いと思って見てくれていたりするんですよ。それを大人が「これ面白くないよ」「昔はもっと面白かった」って言うことで、楽しむチャンスを失わせていると思うので、もう少し寛容であっていいと思うんですよね。

例えば、テレビのバラエティの賞ってドラマとかに比べるとあまりないじゃないですか。そういうのをもっといっぱい作って、「視聴率はすごく悪かったけど、面白いって言われてる番組らしいよ」「この番組、最近なんか面白くなっているよ」って見てもらうきっかけになる価値を作ってほしいなと思いますね。宣伝とかじゃなくて、そういう側から盛り上げていくシステム、マイナビニュースさんで作ってくれないですかね?

――鋭意、検討させていただきます!

■原点は『やるならやらねば!』の出川哲朗

――ご自身が影響を受けた番組を1つ挙げるとすると何ですか?

ここで『めちゃイケ』って言っちゃうと普通なので、『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』(フジテレビ)ですね。4つ離れた弟がいて、自分たちの部屋でよく一緒に『やるやら』を見てたんですけど、出川(哲朗)さんがプールのゲーム企画で本気で溺れかけたのを見て、腹抱えて笑ったんですよ。もう呼吸できないくらい笑ったのが、たぶん「テレビって超面白いな」と思った原点だと思います。そういう番組を作りたいっていうのが、僕がバラエティをやりたいと思ったきっかけですね。

――その話、出川さんにされましたか?

特番でご一緒させてもらって、打ち合わせのときに「僕、実はあれで腹抱えて笑ったんですよ」って言ったら、すげえうれしそうな顔していました(笑)

――いろいろお話を聞かせていただき、ありがとうございました。最後に、気になっている“テレビ屋”をお伺いしたいのですが…

テレ朝の舟橋政宏くん。実は大学のサークルの後輩で、彼のOB訪問を受けたこともあるんです。性格が暗いんですけど、面白いヤツでした。ダメダメADだというウワサがあって、テレ朝内を坊主頭で徘徊しているというのを聞いたときは「何かやらかしたんだろうな…」と思ったんですけど、今や『激レアさんを連れたきた。』をやり、中居(正広)さんの『ニュースな会』をやり、10月からは爆笑問題さんと霜降り明星の番組(『爆笑問題のシンパイ賞!!』)も始めて、何があったの!?って(笑)。うらやましすぎる! それと、『激レアさん』でナレーションにルシファー吉岡さんを使ったり、弘中(綾香)さんを発掘したり、人選の目線が面白いなと感じているので、今話を聞いてみたいなと思っている1人ですね。

次回の“テレビ屋”は…

テレビ朝日『激レアさんを連れてきた。』『中居正広のニュースな会』『爆笑問題のシンパイ賞!!』演出・舟橋政宏氏