――番組開始当初から裏にあった『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)が終了します。強力な裏番組が変わることに、思うところはありますか?
やっぱり私が会社に入る前からずっと見てきた大番組ですし、『しゃべくり』も裏で戦ってきて勉強になった面も大きいですし、影響を受けた部分も大きいです。誰もが知っている偉大な番組が終わるのは大きな出来事で、いろいろ思うことはありますし、初めて裏環境が変わるということで、どうなるんだろう…という気持ちはありますが、やっぱりブレずに自分が面白いと思うことで、視聴者の皆さんが見たいと思うことを、7人とスタッフで作っていくしかないと思っています。
――まだ正式に後番組は発表されていませんが、芸能人の本性に迫っていく内容の番組になる模様ですし、TBSも1月から討論バラエティ『好きか嫌いか言う時間』が22時台に移動してきます。『しゃべくり』と視聴者層の近そうな番組が、裏に来る印象です。
うちも含めて、どれもスタジオバラエティですし、過激なことを言っていくような番組ですが、そこに引っ張られてはいけないと思うので、より自分たちのやりたいことのクオリティを上げていくしかないかなという感じですね。
――元日は恒例の6時間半スペシャルですね。
『しゃべくり』で唯一7人がロケに行く特番で、今回は芸能人の実家訪問をしたり、豪邸を見たりしていきます。スタジオパートでは、例年芸人さんのネタのコーナーをやっていたんですが、裏で『爆笑ヒットパレード』(フジテレビ)をやっているので、今回はいつもと違う芸人さんとの企画を予定しています。他にも高畑充希さんや綾瀬はるかさん、ジャニーズの方々、ミラ・ジョヴォヴィッチさんなど豪華なゲストの皆さんが数々いらっしゃいますので、ぜひご覧ください。
――今後やってみたい番組企画というのはありますか?
やっぱり私は、なんだかんだトーク番組が好きなんです。だから、今までにない目線の新しいトーク番組を作りたいなと思っていて、企画も考えているところです。
――最近テレビの規制が増えてきたということがよく言われますが、それを感じることはありますか?
私は2007年入社なんですが、その当時と比べても今は違いますね。番組をネットで何回も見られるようになったりとか、視聴者もSNSなどで発言できることが多くなったりとか、テレビへの接し方・見方が変わってきたと思うので、そういう中で見てもらえるものを作るしかないなっていう感じですね。それから、今までは「まあまあ大丈夫でしょう」と思っていたことが、視聴者の見る目が肥えてきて、ちょっとした違和感もバレるようになってきたと思います。なので、「これはやっちゃいけない」ということはすごく意識して、私を含めてみんなやっていますね。
――そんな藤森さんにとって、影響を受けたテレビ番組を1本挙げるとすると、何ですか?
実は小学校6年生くらいからずっとドラマっ子で、ドラマ志望で入社したんです。だから、影響を受けたドラマはたくさんあるんですけど、子供のときに最初に見て「ドラマっていいな」と思ったのが、『愛してくれと言ってくれ』(TBS)でした。そこから『ロンバケ』や『ラブジェネ』とか『恋ノチカラ』などを見て、今もドラマはすごく見ます。見ると妄想力とか想像力が付くので、ドラマは私の中ですごく大きい存在ですね。
――日テレさんでは『家売るオンナ』『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』をヒットさせた小田玲奈プロデューサーが、ずっとバラエティ制作にいて、ドラマに異動された例もありましたが、藤森さんもまだドラマ志望なのですか?
私はもう違いますね(笑)。あんまり女性・男性を分けて言いたくないんですが、バラエティには女性の演出がなかなかいないので、道を作るというわけではないですが、自分が面白いと思ったことをちゃんとやって、みんなに認めてもらえるように頑張りたいと思っています。
――TBSの坂田さんが、ゴリゴリでお笑いの演出をやるのは、フジテレビの亀高美智子さん以来だと、藤森さんに期待をかけられていました。ご自身の番組でADに女性がいると、やはりどこか意識はされますか?
はい。やっぱり頑張ってほしいと思っちゃいますね(笑)
――いろいろお話を聞かせていただき、ありがとうございました。最後に、気になっている"テレビ屋"をお伺いしたいのですが…
福田雄一さん。独特な感性でやってらっしゃる『勇者ヨシヒコ』シリーズがすごく好きなんです。先日、「ダシュウ村と5人の神々」というタイトルで、テレビ各局をイジる回があったのですが、めちゃくちゃ面白いんですけど、よくあれができたなって思って(笑)。いつもブラックな笑いとギリギリのところをやってる方なので、どうやってアイデアを出して、自分の中にどこでGOを出しているのかを聞いてみたいですね。