――『しゃべくり』には立ち上げのときにADとして携わられ、その後『メレンゲの気持ち』の演出もされて、今年の6月に『しゃべくり』に演出として戻られたそうですが、『メレンゲ』で培ったものを、『しゃべくり』で生かしている部分はありますか?

『メレンゲ』もMCが多い番組で、今は4人いるんです。そうすると、もちろんゲストをどう面白く見せるかというのも大事なんですけど、番組にとっていかにMCを魅力的に見せられるか、この人が聞くと好感が持てると思ってもらえることは、結構大事なんだなと勉強になりました。『しゃべくり』は7人なので、もちろんゲストをいかに面白くするかは当然なんですが、7人をどう面白く、魅力的に見せるのかというのは大事にしていますね。

――逆に『しゃべくり』で守っていかなければと意識している部分はどんなところでしょうか?

7人のしゃべりのプロが、長年やってきている番組なので、視聴者の方にその笑いのチームワークをいかにうまく届けられるかというのは、編集で気をつけていることですね。その中でも、視聴者がゲストの何を見たいのか、聞きたいのかという目線をちゃんと持つことは、企画を考えるときに大事にしていることです。

――さきほど「臨場感」を大事にしているという話がありましたが、収録が盛り上がって予定時間が伸びても、あまりスタッフ側で制御しないんですか?

ゲストのスケジュールによって4本撮りのときもあるんですが、昼前から回して夜遅くになるときもありますし、30分の放送尺で60分回す予定だったのが、結果1時間半になることもあります。ただ、盛り上がっているところを途中で切ることはできないので、そのあたりも7人に塩梅(あんばい)を任せてますね。

――ゲストにはバラエティにめったに出られない俳優や女優さんもいますが、あの7人の"猛獣"の中に入って、結構過激な質問もありますよね。皆さんどんな感想を話されていますか?

皆さん「楽しかった」と言って帰られる方が多いので、こっちもうれしいですし、意外と『しゃべくり』に出たかったんだという方もいますね。過激な質問もありますが、なんだかんだであの7人がすごく優しくてうまくフォローしているので、それがゲストの方たちにも伝わってるんだなと思いますね。

――その7人・3組の魅力を、あらためてお伺いしたいのですが、ネプチューンさんはいかがですか?

ネプさんは、ホリケンさんが自由奔放で、それを名倉さんが怒りというツッコミで盛り上げ、泰造さんはボケてスベっても笑いにできるっていう、女子にも好きな笑いにしてくれるので、3人はすごくバランスが取れていると思いますね。

――くりぃむしちゅーさんはどうでしょう?

上田さんには仕切っていただくことが多いので、私にとって尊敬して信頼を寄せている方ですね。本当にうまくボケてツッコんで進行してくださるので、安心して番組ができます。有田さんは、番組で最初の笑いの火をつける役を担ってくれますし、どんなトークが飛んできても瞬発力で笑いにする力がすごいですよね。そしてもちろん笑いに対してすごく貪欲な方なので、番組についてもよく考えてくださっていて、私ももっと番組作りを頑張らなきゃといつも刺激を受けています。

――有田さんは、よくOA後の感想を伝えてくれるとおっしゃっていましたもんね。最後にチュートリアルさんはいかがでしょうか?

徳井さんにも企画を背負って担当していただくんですが、上田さんとは違う回し方や独特な笑いの世界観、女子的目線を入れてやってくれるので、違った見せ方ができると思います。福田さんはいい意味で、『しゃべくり』を一歩引いて冷静に見てるなと思っているんです。他のメンバーがふざけすぎちゃったときにバシッと一言言ってくれたり、食べ物が出たときにみんながボケに走って感想を言わなかったりするんですけど、福田さんは自分のポジションを分かってくれていて、スタッフ側としては言ってほしいタイミングで「おいしい」といった感想を言ってくれて、毎回助けてもらってます。

――7人の座り位置は毎回固定されていますが、効果的に生きているフォーメーションだと思います。ゲストが後ろを向いて話すこともありますし、珍しい構図ですよね。

有田さんが一番外にいて、一番手に話してみんなを巻き込んでくれることもありますし、それと、ホリケンさんは上段にいるので、独特な絡みをゲストにしても、いい距離感があったりということもあるので、今のところはあの座り位置のままがいいと思ってますね。