メインコーナーが終わって、番組の残り約30分。最後のテーマは、手を振るだけで動物を眠らせる気功師・神沢瑞至だった。神沢は、熊本の阿蘇カドリードミニオンでツキノワグマを眠らせることに挑戦し、8頭中6頭で成功。さらに、かつて『天才!志村どうぶつ園』(日本テレビ系)の人気者だったチンパンジーのパンくんでも挑戦したが、こちらは失敗した。

続いて「大脳が発達しているため難しい」という人間でも行うことになり、冒頭の奈良ロケで移動中の一茂と槙原でトライ。「ふだん移動中は寝られないタイプ」という2人だったが、槙原は16分で眠り、1度休憩で中断し機材トラブルもあったが、一茂も1時間16分で眠りに落ちた。

さらに、後日VTRを見ると、「3台のカメラが同じタイミングで止まっている」というフシギな現象が起きたという。神沢によると「強く気を送りすぎたから」としているが、これは限りなくグレーなコメントだった。

出川でも検証すると、32分で就寝。神沢は、パンくんについて「あれは手強かった。興奮してたからね」と語る一方、出川は「ああ、楽楽楽」と即答。ただ、マネージャーによると「移動中はいつも寝ている」というオチだった。

番組は「信じるか信じないかは皆さんのご想像にお任せします」というナレーションで終了したが、“フシギ”を追求しすぎず、強引に結論付けようとしない姿勢は好感が持てる。しかし、ならばもっと笑いの手数を増やしたほうがいいのではないか。

気になったのは、3人の見せ場と“フシギ”がどちらつかずだったこと。『ザワつく!金曜日』と同じように、3人のキャラクターとトークを前面に押し出すのか。それとも“フシギ”を前面に押し出していくのか。もしゴールデンで放送していくならバランスを取るより、わかりやすくどちらかにクローズアップしたほうが視聴率につながりやすいように見えた。

大みそかの18~23時に『ザワつく!大晦日5時間SP』、23時~翌1時45分に『ザワつく!!年越しフシギ大賞!!!』が放送されるなど、当番組が期待されているのは間違いないところ。『ザワつく!金曜日』がグルメ中心の構成だけに、『フシギの会』はそれ以外のジャンルをつかめば、両輪として輝けるかもしれない。

■次の“贔屓”は――今後を占う初の土曜ゴールデン特番!『クイズ倍買』

バナナマン

今週後半放送の番組からピックアップする次回の“贔屓”は、28日に放送されるTBS系バラエティ特番『クイズ倍買』(18:51~)。

「1問正解するごとに賞金が倍になるが、解答の選択肢も増えてどんどん難問になり、間違えると賞金は全額没収」というルールのクイズ特番。これまで2021年3月から8度にわたって放送されてきたが、大半が日中か深夜で、土曜ゴールデンは初めてとなる。

クイズとしての面白さに加えて、解答者とMCを務めるバナナマン・設楽統の駆け引き、日村勇紀が解答者に勧める多彩なアイテムなども見どころの1つ。しかも今回は「完全制覇者現る」と予告しているが、最高賞金1,500万円超にどこまで迫ったのか。

クイズ番組は2010年代の隆盛から苦しい時期に入りつつあるだけに、今後の可能性を占っていきたい。