そして櫻井から「『SHOWチャンネル』的に全然面白くないと思いますよ」と言われたスタッフが「全然ちょけないじゃないですか」と不満げな反応をすると、櫻井は「ここで真剣にやっておかないと、いざ撮影の日にめちゃめちゃすごい数のスタッフに迷惑をかけることになる」と正論を返した。

そんな櫻井に制作サイドは、「こっちも撮れ高がないとそれなりの数のスタッフが迷惑なのだが、それは言わないでおこう」というナレーションでオチをつけた。しかし、「これは番宣に付き合わされた上に、撮れ高が少ない」というスタッフのガチなグチに見えて、視聴者は笑いづらかったのではないか。

その後、2人目の達人として特殊効果のスタッフたち登場し、銃撃や爆破シーンを紹介してVTRは終了。スタジオに戻ると、深澤と阿部が「『大病院占拠』の主題歌をSnow Manが担う」ことをサプライズで発表した。

改めて振り返ると、櫻井も含め計6人もの番宣要員が出演したことになる。映画の舞台あいさつを思わせるムードがあり、華がある反面、「好き嫌いがはっきり分かれる」という嗜好性の高さも感じさせた。

最後にドラマ出演者全員がリレー形式であらすじを読み上げ、櫻井の「ドラマ『大病院占拠』、それではご覧ください」という言葉に続いて物語がスタート。「バラエティでの番宣からCMをはさまずドラマをスタートさせる」という編成は初回放送時の常套手段だが、視聴者にとってのデメリットはさほどないだけに、もっと行ってもいいのではないか。

番宣を目的とした“バラエティとドラマの合体SP”は試みとしてアリなのだろうが、制作サイドの難しさがさまざまなところに表れていた。「朝から夕方までの情報番組をジャックする」という初回と最終回放送日のドラマ番宣と同じ課題のようにも見える。むしろネット上の番宣をベースに新たな戦略を立てるべき時期に来ているのかもしれない。

ちなみに『大病院占拠』は連続性と緊迫感があり、リアルタイム視聴と配信視聴の両方で可能性を感じさせるものだった。特に今回は「MCバラエティ、主演ドラマと2時間連続で櫻井翔をフィーチャーする」という思い切った編成だけに、視聴者の中には「ギャップが大きすぎて切り替えが難しい」という人もいるだろう。ともあれ実験的な試みであり、今後もその成否をチェックしていきたい。

■次の“贔屓”は――『ザワつく!』と連続放送の妙『出川一茂ホラン☆フシギの会』

出川哲朗

今週後半放送の番組からピックアップする次回の“贔屓”は、20日に放送されるテレビ朝日系バラエティ特番『出川一茂ホラン☆フシギの会』(19:54~)。

昨年7月に深夜特番が放送されたあと、10月から木曜深夜帯で早くもレギュラー化。さらに今回が初の2時間特番であり、ゴールデン・プライム帯の放送となる。

そもそも長嶋一茂が「2人とやりたい」と言って実現した番組だけに、ここまでトークの盛り上がりは上々。今回は局の看板番組であり、同じ長嶋一茂が出演する『ザワつく!金曜日』との連続放送にしたところが興味深い。番組単体に加えて、「どんな相乗効果を生むのか」なども掘り下げていく。