9時30分になり、次のテーマである「ハロウィンBBQ大会」がスタート。しかし、雨に降られて4人のテンションはさらに下がっている。

そんな4人に、「ハロウィンBBQらしくみんなで仮装しましょう」という旅のガイダンスが発表され、コスプレ衣装をランダムに入れた4つのテントが用意された。しかし、テントやコスプレ以前に、「落とし穴がないか」と怪しむ松尾。特番時代にヘビが置かれていたこともあるため警戒心が強く、そのビビりぶりも楽しみの1つだ。

けっきょく長田がアメリカンポリス(常夏のマイアミ風)、山内がのび太くん(41歳)、松尾がプロゴルファー猿(木で作ったクラブは8万円)、濱家がスパイダーマンのコスプレで登場。「もちろんこの中にはイタズラ誘導のためのキャラクターが……」という意味深なナレーションが流れるが、それ以前にスパイダーマンの濱家が松葉杖で登場して笑わせた。

「痛風で歩けないスパイダーマン」はそれだけで最高のイタズラだったと言っていいだろう。さらに、「覆面をかぶって顔が見えない濱家に渋谷がホクロをつけてイジる」という細かい笑いも忘れない。こういう細かく小さい笑いが増えるほど、この番組のファンは増えていくのではないか。

番組は、「役割分担をしてバーベキューの準備をしてください」という旅のガイダンスによって、濱家・長田・渋谷が調理担当、山内がみんなの座るイスを取ってくる担当、松尾が薪を取ってくる担当に分けられ、「『準備しないとイタズラしちゃうぞ』のハロウィンBBQが開幕」というナレーションであっさり終了。正直、「次が早く見たい」より「もう終わり?」という“小出し感”のようなものを感じてしまった。

■過密なスケジュールが必要な理由

最後に次回予告として、「坂道から転がってきた大玉に襲われる松尾」「南海キャンディーズ・しずちゃんらしき女性からパンチを受ける山内」「フルスイングのケツバットを受ける松尾」の姿が映し出された。しかし、注目すべきはそれだけでなく、BBQに「うま~」と声をあげる濱家や、幸せそうな顔で食べる渋谷の姿も映されていたこと。

よく見ると、「いつも何か素敵なことが貴方を待つよ」というテロップも表示されていた(「素敵なこと」に“イタズラ”というふりがなが振られていたが)。このような「あくまで楽しげムードを前面に押し出していく」という演出なら、ファミリー層にも見てもらえる可能性はありそうだ。

番組内で「過密スケジュール」とうたっていたが、まだバーベキューのあとに、「PM0:00お菓子の城」「PM2:30遊園地」が予定されている。このペースで進むと、1日の旅を5週程度にわたって放送するのだろう。

つまりスケジュールは過密だが、逆に編集はゆるめでの放送ということか。ゴールデン・プライム帯の番組と比べると密度の薄さが気になってしまうが、レギュラーのロケ番組に、かまいたち、チョコレートプラネット、渋谷凪咲という売れっ子をそろえればこうなるのは必然であり、旅先のエリアも限られてくるだろう。ならば、放送1回あたりのイタズラをもう少し増やしたほうがいいのかもしれない。

「ジャーニー」というフレーズが番組名に入っているように、旅番組であることは間違いなく、前番組『もしもツアーズ』からの流れを感じさせられる。しかし、旅の情報性はほとんどないだけに、「売れっ子をそろえた」からと言っても、これまでの視聴者にそのまま見てもらえるかは分からない。

とは言え、放送しながら試行錯誤を重ね、笑いのポイントを見つけ、面白さを増していくタイプの番組であり、まずはスタート時のハイテンションをできるだけ保っていきたいところ。売れっ子をそろえた分、手応えがなければ撤退は早そうなだけに、スタッフの奮闘が鍵を握るのではないか。

■次の“贔屓”は……コロナ禍で『学校へ行こう!』が復活!?『学校中を笑わせよう!』

『学校中を笑わせよう!』MCのヒロミ

今週後半放送の番組からピックアップする次回の“贔屓”は、11日に放送されるTBS系バラエティ特番『学生が芸人パワーで大変身 学校中を笑わせよう!』(19:00~)。

コンセプトは「全国の学校に笑いを届ける令和の学生応援バラエティ」。コロナ禍で修学旅行、体育祭、文化祭などが中止になり、人生に一度しかない貴重な時間を奪われている現代の高校生たちに笑ってもらうべく、芸能人たちが奮闘するという。

予告されているのは、悩みを持つ高校生のために芸人がオリジナルの歌詞を作って熱唱してもらうコーナーや、ミリオンアーティストが合唱部に光を当てる大型企画。そのコンセプトと内容を見れば、誰もが同じTBSで放送された『学校へ行こう!』を思い出すだろう。

V6が解散して同番組の復活は不可能になったが、それから1年が過ぎた今、特番放送のタイミングとしては上々。今年8月に深夜帯で放送され、早くもゴールデン特番というスピード感も含め、継承番組としての期待感が募る。