最後は、スタジオの金子商品部長が「シェフの方々がおいしいときは『ここがおいしい』と明確に言ってくれるんですよね。で、ダメなところは『ここが良くない』『ここはもうちょっとこうなんじゃないか』と。『今日出した商品も、もっと良くなれるんだな』と思ったので、本当にすごく勉強になりました」とコメント。

ここでも不合格や厳しいコメントをしたシェフをフォローするような編集が見られた。やはり元日の騒動が尾を引いているのは間違いなく、「今回は多めにフォローを入れる万全の形を採った」というところではないか。

最後にジャッジ企画全体を振り返っておきたい。まず審査員の顔ぶれは左の席から順に下記の7人。

「5年連続ミシュラン一つ星 中国菜 エスサワダ 澤田州平」 「日経レストランメニューグランプリ優勝 Turandot臥龍居 小澤善文」 「15年連続ミシュラン一つ星 銀座アロマフレスカ 原田慎次」 「5年連続ミシュランの名店出身 レストラン ラリューム 進藤佳明」 「イタリアで日本人初めてのミシュラン一つ星 リストランテ イ・ルンガ 堀江純一郎」 「肉料理のスペシャリスト 7年連続ミシュラン一つ星 おにく花柳 片柳遥」 「ミシュラン一つ星の日本料理店 麻布 和敬 竹村竜二」

「7人中5人がミシュラン一つ星のシェフ」という形で、基準になっている様子がうかがえる。シェフたちはジャッジの最中、天井を見上げたり、細かい質問をしたり、眉間にシワを寄せたり、首をひねったり……。

ただ、そんな反応をしたときほど合格の札を出すケースが多く、むしろ不合格のほうが少なく、これ点は演出のさじ加減なのだろう。また、ガチンコ感を醸し出している人がいれば、芝居がかったような表情の人もいて、この多様なキャラクターはエンタメにつながっている。

そもそも「社員イチオシの商品」ということは、すなわち「売りたいものをPRできますよ」というスタンスの企画であることは視聴者に筒抜け。番組は残り約30分になったところでジャッジ企画を終了させて「キニシスギくんの突撃訪問」がスタートし、まずイオンのサービスが紹介され、最後にダイソーを15分程度扱って終了した。「イオンだけで2時間ぶっ通しはさすがにマズいかな」という感があったのか。

ともあれ今回の放送では、元日のような批判はほぼ見られなかった。大半のメニューに添えられた「※北海道・九州・沖縄では取り扱いがありません」の文字を見ても、「dボタンで合格不合格を予想してイオングループで使えるギフトカードをGET!」のプレゼントを見ても、「番組と企業だけでなく、視聴者への配慮やメリットも考えなければ」という気持ちは伝わってくる。

まだまだ番組寄り、企業寄りのスタンス過ぎるきらいはあるだけに、さらに視聴者への配慮やメリットを感じさせられたら、まだまだこの企画は続いていきそうだ。

■次の“贔屓”は……アニメ『鬼滅の刃』最終回前に……『妖怪ランキング大百科』

『妖怪ランキング大百科』に出演する(左から)吉村崇、小芝風花、山崎弘也、柴田英嗣、劇団ひとり、丸山桂里奈、荒俣宏 (C)フジテレビ

今週後半放送の番組からピックアップする次回の“贔屓”は、13日に放送されるフジテレビ系バラエティ特番『妖怪ランキング大百科 鬼強い! 鬼とヤバいもののけたちが大集合!』(19:00~)。

何と「妖怪」の3時間特番であり、「日本に語り継がれてきた妖怪たちをプロフェッショナル集団による独自ランキングで紹介していく」という。「最強で最凶の鬼は?」「強すぎる鬼VS人間の本当にあった!?仰天バトル」などのトピックスが明かされている。

当日夜はアニメ『鬼滅の刃 遊郭編』の最終回であり、他局のドラマ『妖怪シェアハウス』(テレビ朝日系)で主演を務める小芝風花がゲスト出演するなど、何かと気になるところが多い。