クイズが終わると、ネタばらしで有田が登場したが、スタジオの解答者たちはすぐに気づかなかった。そんな中、いち早く察して「(目黒とウルフの)ボケ方とか嫌いだったわ~」と返したのは平成ノブシコブシ・吉村崇。その他のシーンでも、全力で番組に挑む姿勢を見せて、有田の「頑張ってんな~アイツ。ニセ番組なのに」というイジリを引き出し、最後も「両チームに土下座してまで勝利を目指したがカットされる」という姿をオチに使われて笑いを誘っていた。

おまけのエンディングでは、有田が「(『夢を叶えてほしい』という)お願いがこの番組にきたのでやっただけですから悪いのは2人です」と責任をなすりつけ、ウルフと目黒が「どうもすいませんでした」と頭を下げたところで番組は終了。結果的に「ほとんどの出演者に見せ場を作り、終盤のCMまたぎに使える大オチ&小オチをしっかり用意する」という“くりぃむシリーズ”のハイレベルな仕事ぶりは健在だった。

もう1つ挙げておきたいのが、画面演出のうまさ。この日はクイズとドッキリという企画の特性上、番組の大半で画面が2~7つ程度に分割されていたが、これが笑いの量を増やしていた。目黒とウルフ、有田らインストールする側、驚き戸惑う出演者たち。「それぞれの表情を並べて見せるだけで笑える」というシンプルさは、企画自体のすごさなのかもしれない。

番組の合間に、近日公開予定の企画として「10代女子を演じるウエダくんには騙されない」「ザ・マミィ酒井にバレずにどこまでできるか選手権」が予告されていた。新企画の中には微妙なものもあるだろうが、それも“くりぃむシリーズ”なら笑いにつなげるはず。根強い人気を持つ旧企画も含めて、今後も笑わせてくれるだろう。

おまけで1つ称えておきたいのは、ウルフ アロンを選ぶ着眼点。ウルフはバラエティへの積極性だけでなく、とぼけた顔やドヤ顔、両手の濃い腕毛まで、面白いと思わせる要素に事欠かず、温厚なイメージも含めて、全世代対応型の逸材に見えた。すでに多くのバラエティに出演しているが、この日の出来が最高到達点なのかもしれない。

■次の“贔屓”は…『おしゃれイズム』からどこが変わった?『おしゃれクリップ』

『おしゃれクリップ』MCの山崎育三郎(左)と井桁弘恵

今週後半放送の番組からピックアップする“贔屓”は、24日に放送される日本テレビ系トーク番組『おしゃれクリップ』(毎週日曜22:00~)。

今回ピックアップした『くりぃむナンタラ』の裏番組であり、今月10日のスタートから3回目の放送を迎える。ここまでの2回では、反町隆史、きゃりーぱみゅぱみゅが出演し、次回のゲストは東京オリンピック女子空手形の銀メダリスト・清水希容選手。他番組とは明らかに異なるゲストの人選であり、どんなトークになるのか興味深い。

16年半にわたって放送された全番組の『おしゃれイズム』とはどこが違い、どこを継承しているのか。MC・山崎育三郎、井桁弘恵の立ち位置なども含めてチェックしていきたい。