3人目のアウトエイジは、あらゆるSNSを駆使して婚活する関節夫さん(72歳)。ただ、出会いの方法はマッチングアプリである上に、「同時進行は全然できます」「朝と夕方に1日2回、6人くらいの方とやり取りしている。(メッセージの言葉は)コピペで。これは内密ですけど」と話して笑わせた。ダンディ風の佇まいで大マジメに語っているところが面白い。

そんな関さんとのリモートトークは、「中居さんに言いたいのは、新しいことを恐れずに始めると、これからも楽しく生きられると思いますよ」という上から目線のアドバイスで終了。中居が「あの……僕、つまらなそうですか?」とリアクションを取ってオチをつけたあと総括トークに突入した。

ここで結婚をめぐる中居&ウエンツの価値観がさく裂する。特にウエンツは「結婚は常に視野に入れてはいますよ。できるかどうかは別にしてそういう気持ちはあるということです」「止めるものは何もないです。僕は深く考えたら『嫌だ』『無理』とか思っちゃう人なので考えない」「『この人が好き』『この人が結婚相手でうまくいく』なんてことは絶対ないと思うんですよ」「人は変わりますし、僕も言うこととかやることが変わるので。向こうも決めつけるのは失礼かなと思って。変わっていくことを受け入れられる姿勢が結婚なんですよ」と、マシンガントークでまくしたてた。

これに中居が「お前、すっげえ考えてんじゃん。こんだけ話しているのに、『僕は考えがないんです』ということを熱弁してるじゃん」とツッコミを入れて笑わせつつ、さらに返す刀で「『ものすごく美人なお手伝いさんがいいかな』と思って。お手伝いさんが業務として(家事を)やってたんだよ。奥さんっぽいことをお金もらってやってたんだけど、(オレのことを)好きになっちゃったんだよ。ホレちゃったんだよ。『もう離れられない』ってなっちゃったんだよ。もうお金を受け取れなくなっちゃったんだよ……これ最高じゃねえか」と、理想の結婚をぶつけた。

■求められるキャラクターの変化

これにウエンツが「たぶんこの先、10年くらいこれを言うと思うんだよな。ホント聞いてらんないんだよな。早く誰か見つけて、その妄想の世界から出てほしいですよね」とあきれたところでトーク終了。“プライベートでは偏屈な男”というキャラクターを生かしたオチで締めくくったところがいかにも2人らしかった。

エンディングでは中居が「第1回目ですからね。これ評判悪かったら“アウトエイジ”ではなくて“瑛士アウト”に変更してお送りしたいと思います」と切り出し、ウエンツが「しっかり受け止めます」と返したところで番組は終了。冒頭の予想通り、アウトエイジたちはネタ振り役であり、メインは2人のトークという内容だった。

2人できっちり盛り上がりを作るところは、さすがだったが、一方で、これまでのキャラを踏襲して笑いを誘う無難な形だったのも事実。だからこそ次回以降があるなら、これまで通りのキャラだけではなく、新たな顔を見せるなどの変化が求められるのではないか。

たとえば、中居とウエンツの結婚観が変わり始める、中居が何か新しいことへの挑戦を決意する、2人がアウトエイジに強烈な毒を放ち、ますます偏屈になる……もしこれらの変化が難しいのであれば、『ナカイの窓』(日テレ系)のように1~2人程度を加えてトークパートを活性化させたほうがいいのかもしれない。単に面白い一般人を紹介するだけなら、『激レアさんを連れてきた。』(テレ朝系)などのさまざまな番組があるだけに、「総括トークでどう差別化できるか」が鍵を握っている。

また、アウトエイジというコンセプトはシニアだけでなく、中居を含むアラフィフなどの中年世代を含んでも問題ないはずだ。特番の1回目だけに、笑いと学びのバランスに手探り感が漂っていたが、任侠コントの扱いも含めて、まだまだ発展の余地が感じられた。

■次の“贔屓”は…番組初の生放送2時間SP『世界一受けたい授業』

(左から)上田晋也、堺正章、有田哲平

今週後半放送の番組からピックアップする“贔屓”は、9日に放送される日テレ系バラエティ番組『世界一受けたい授業2時間SP』(19:00~)。

同番組は「古今東西の名物講師が登場し、自ら“使える学問”を講義」というコンセプトで2004年10月にスタート。さまざまなジャンルの講師を招いて、学校の授業に見立てた構成で放送され続けている。

次回の放送は、「都道府県魅力度ランキングを生発表」「売上枚数歴代1位の天才作曲家・筒美京平」「雨が降るとダルい…あなたは雨ダルさんかも」の3本立て。2時間スペシャルであり、しかも初の生放送だけに盛り上がりが期待できそうだ。

今秋の改編では出演者と視聴者の若返りを図る動きが各局に見られ、なかでも日テレは顕著だった。その点、この番組は「現在、日テレがゴールデンタイムで放送しているバラエティの中で最も年齢層が高い」という声もあるだけに、生放送で何らかの対策が見られるかもしれない。