台湾は、日本人にとって身近で親しみやすい旅行先のひとつ。日本の台湾統治時代に鉄道建設を推進した経緯から、地名や駅名に日本語表記も残っている。同名駅も多く、松山駅や板橋駅がよく知られている。他にはどんな同名駅があるかと数えてみたら、なんと台湾鉄路管理局(台鉄)で32駅、台北捷運(ライトレール)で4駅、合わせて36駅もあった。

台湾に、日本と同じ駅名はいくつある? (写真はイメージ)

駅名 台湾の路線 日本の路線
松山 台湾鉄路管理局(縦貫線北段)、台北捷運(松山新店線) JR四国(予讃線)、平成筑豊鉄道(糸田線)
板橋 台湾鉄路管理局(縦貫線北段)、台北捷運(板南線)、台湾高速鉄道 JR東日本(赤羽線)
桃園 台湾鉄路管理局(縦貫線北段) 近畿日本鉄道(名古屋線)
富岡 台湾鉄路管理局(縦貫線北段) JR東日本(常磐線)
豊富 台湾鉄路管理局(台中線(山線)) JR北海道(宗谷本線)
豊原 台湾鉄路管理局(台中線(山線)) JR東日本(東北本線)
大山 台湾鉄路管理局(縦貫線(海線)) JR九州(指宿枕崎線)、東武鉄道(東上線)
日南 台湾鉄路管理局(縦貫線(海線)) JR九州(日南線)
清水 台湾鉄路管理局(縦貫線(海線)) JR東海(東海道本線)・名古屋鉄道(瀬戸線)・大阪市交通局(今里筋線)
追分 台湾鉄路管理局(縦貫線(海線)・成追線) JR北海道(室蘭本線・石勝線)、JR東日本(奥羽本線・男鹿線)、京阪電気鉄道(京津線)、四日市あすなろう鉄道(内部線)
大村 台湾鉄路管理局(縦貫線南段) JR九州(大村線)・神戸電鉄(粟生線)
田中 台湾鉄路管理局(縦貫線南段) しなの鉄道(しなの鉄道線)
水上 台湾鉄路管理局(縦貫線南段) JR東日本(上越線)
新市 台湾鉄路管理局(縦貫線南段) JR西日本(福塩線)
大橋 台湾鉄路管理局(縦貫線南段) 西日本鉄道(天神大牟田線)、長崎電気軌道(電停)
岡山 台湾鉄路管理局(縦貫線南段) JR西日本(山陽本線ほか)
大里 台湾鉄路管理局(宜蘭線) 名古屋鉄道名古屋本線
亀山 台湾鉄路管理局(宜蘭線) JR東海・JR西日本(関西本線・紀勢本線)、山陽電気鉄道(本線)
中里 台湾鉄路管理局(宜蘭線) 松浦鉄道(西九州線)
新城 台湾鉄路管理局(北廻線) JR東海(飯田線)
平和 台湾鉄路管理局(台東線) JR北海道(千歳線)
豊田 台湾鉄路管理局(台東線) JR東日本(中央本線)
南平 台湾鉄路管理局(台東線) 京王電鉄(京王線)
大富 台湾鉄路管理局(台東線) JR西日本(赤穂線)
瑞穂 台湾鉄路管理局(台東線) JR北海道(宗谷本線)
池上 台湾鉄路管理局(台東線) 東急電鉄(池上線)
関山 台湾鉄路管理局(台東線) えちごトキめき鉄道(妙高はねうまライン)
竹田 台湾鉄路管理局(屏東線) JR西日本(播但線)、近畿日本鉄道(京都線)、京都市交通局(烏丸線)
東海 台湾鉄路管理局(屏東線) JR東日本(常磐線)
竹中 台湾鉄路管理局(内湾線・六家線) JR九州(豊肥本線)
横山 台湾鉄路管理局(内湾線)、桃園捷運(機場線) JR西日本(七尾線)、神戸電鉄(三田線・公園都市線)
富貴 台湾鉄路管理局(内湾線) 名古屋鉄道(河和線・知多新線)
大安 台北捷運(文山線・信義線) 三岐鉄道(三岐線)
中山 台北捷運(淡水信義線・松山新店線) JR東日本(横浜線)・横浜市交通局(グリーンライン)・とさでん交通(伊野線・電停)
善導寺 台北捷運(南港線) JR九州(久大本線)
府中 台北捷運(板南線) JR西日本(福塩線)・JR四国(徳島線)・京王電鉄(京王線)・丹後海陸交通(ケーブルカー)

このうち、台湾鉄路管理局の32駅については公式サイトに「台日同名の鉄道駅巡り(台鉄のみ)」というページがあり、路線図付きで紹介されている。

2014年には、交通部観光局と台湾鉄路管理局が「台日同名32駅観光プロモーション『駅長体験付台湾旅行ご招待企画』」を開催した。32駅ある同名駅と同じ名前の人、たとえば松山駅にちなんで松山さん、板橋駅にちなんで板橋さんを抽選で招待し、台湾の同名駅で駅長体験ができるというユニークなツアーだった。

台湾観光協会東京事務所によると、応募総数は1,910通で、最多応募数は田中さん、最少応募数は日南さんだったという。珍しい名前ほど勝率が高かったわけだ。

台湾と日本の鉄道では、西武鉄道、京急電鉄、東武鉄道、台湾鉄路の4社局合同「日台縦断! 鉄道スタンプラリー」が過去2回開催された。いすみ鉄道と台鉄の集集線で互いの使用済みフリーきっぷを相手先のフリーきっぷと交換できる提携なども行われている。駅については台湾の新竹駅と東京駅、台湾の台北駅と大阪駅が姉妹駅協定を結んだ。

これからは同名駅の提携もあるかもしれない。台湾に行くときは、日本の駅と同名駅を巡る旅というテーマもおもしろそうだ。

※写真は本文とは関係ありません。