旧国鉄を継承したJR各社の場合、ホームの番号は「駅長室から近い側から1番線、2番線……」の順が通例となっている。ところが新大阪駅の場合、在来線は11番線から始まり18番線まで、新幹線は20番線から始まり26番線までとなっている。1~10番線はどうなってしまったのか。

新大阪駅のJR在来線は11~18番線、新幹線は20~26番線で発着

地下鉄御堂筋線には1・2番ホームがあるのだが、これを含めても3~10番がごっそりと抜けている。もっとも、地下鉄とJRがホーム番号を通算する事例はほとんどないので、地下鉄のホーム番号は無関係だ。その証拠に、新大阪駅が開業した当時はJRにも1・2番線が存在していたのである。

1985年に1番線~6番線を20番台へ改称した

新大阪駅は1964年の東海道新幹線開業時に設置された駅だ。新幹線の駅が大阪駅ではなく新大阪駅に作られた理由は、次の段階として山陽方面へ延伸するためだったという。大阪駅を経由すると、2度も淀川を渡る必要があり、急カーブになってしまう。また、付近の用地確保が難航するおそれもあったという説がある。

新大阪は新幹線のために作られた駅だ。したがって新幹線が優先となり、新幹線ホームの方から1番線、2番線の順になった。また、在来線ホームは新幹線と明確に区別できるように2桁とし、11番線からとなった。

開業当時、新幹線ホームは2面で、1番・2番と3番・4番だった。その後、1面が追加され、5番・6番となった。1985年、1番・2番の隣にホームを増やしたときに、新しいホームを20番線とし、他の新幹線ホームも20番台の21番~26番とした。

建設中の20番線は仮で「0番線」と呼ばれていた。1番線の手前だから0番線というわけで、在来線の他の駅にも前例がある。しかし、新幹線の駅で0番線という事例はなく、そもそも0番線という名前が不自然であり、かつて大阪駅と新大阪駅で1番線~6番線を混同して新幹線に乗り遅れる例が見られたため、新幹線を20番台として明確に区別したというわけだ。

ちなみに、新大阪駅は新幹線ホームがJR東海の管轄、在来線がJR西日本の管轄だ。JR東海はホームの番号を「○番線」、JR西日本は「○番のりば」と呼ぶ。新大阪駅ではホームの呼び方でも新幹線と在来線の区別ができる。