元国税職員さんきゅう倉田です。最近気になることは「税務署の内部事務のセンター化」です。

お金持ちの考えや行動を模倣するとお金が貯まりやすくなるのではないかと考えて、前回から列挙しています。

お金持ちは怒らない

小学生の頃、こち亀を読んでいたら、登場人物のセリフに「金持ち喧嘩せず」が出てきました。古来より日本に伝わる格言ですが、大人になるまでその意味が分からなかった。

どうしてお金持ちは喧嘩をしないのでしょう。どうして怒らないのでしょう。喧嘩の動機となる怒りを捨て、平静を保つことが資産の増加につながる、逆に感情的になることでお金を失うと考えているのかもしれません。

ぼくが見たお金持ちは、レストランで店員さんにお酒をかけられても怒らなかったし、約束していたエンジニアが会食をすっぽかしても怒らなかったし、経営者仲間に西麻布のラウンジで2~3時間待たされても怒らなかったし、資料調査課の税務調査が入ったことを知らせなかった主要な取引先にも怒らなかった。

厳密には、怒っているから文句を言うけど、争いにつながるような本人への直接の進言を常に避けています。再現性のない出来事について注意を促しても建設的ではないし、反論されればストレスが増える。

感情的にならず、穏便に済ませることが合理的だと考えているのだと思います。だから、サービス業の人にクレームも言いません。

夜はビカビカの時計

昼間はシンプルな高級時計、でも、夜遊びに行くときはビカビカの時計をつけるお金持ちたち。

会社の規模や業績を話さなくとも、どんな会社の経営者なのか判断する材料となるのが腕時計です。

トゥールビヨンやミニッツリピーター、永久カレンダーを備えた腕時計は社長同士の会合で自分の力を見せつけるのに役立つそうです。でも、タレントには裕福さの証明としての腕時計は必要ないと思います。

何十年も前から売れている俳優の先輩が、何年か前に「そろそろ腕時計を買うのをやめよかな」と言っていました。その先輩は、腕時計が好きな人ならば一瞥しただけで価格帯が分かる腕時計を複数持っていて、夜のお出かけの際は必ず身に着けていました。

理由は分かりませんが、もう腕に巻くのをやめると言います。

ぼくが
「顔が知られていない経営者は力を誇示するために腕時計が必要ですが、◯◯さんはずっと前から売れていて、他人は裕福だと知っているからステータスとしての腕時計は必要ないんじゃないでしょうか」
と言うと、ほんまやな、そうやな、と言って、ピンクゴールドの腕時計を外していました。

例外 酒で本性が現れるお金持ち

裕福になり、裕福な知人に囲まれて遊ぶようになっても、そもそもの育ちの悪さを隠せないお金持ちもいます。

先日、三軒茶屋の居酒屋で飲んでいたら、隣にいたお金持ちに絡まれてしまいました。ぼくが自己紹介をすると、

「お前みたいな芸人はろくに納税もしないカスだ。俺らがどんだけ納税してると思ってんだ。ろくに働きもしないで、ふざけるんじゃねえよ」

と壊れた蓄音機のように繰り返します。ぼくは、申し訳なさそうな顔を作って、すみませんすみませんとだけ言っていましたが(金持ち喧嘩せず)、耐えかねたぼくの友人(女性)が言いました。

「こっちは君の会社の従業員より納税してるのよ。さんきゅうがカスなら、あんたの従業員はもっとカスだし、カスを量産しているカス株式会社の社長が一番カスね。埃っぽいから、帰ってくれない?」

ぼくはゾッとしましたが、この元不良丸出しの社長が友人に手を出すのではないかと怖くなって、両手を自由にして様子をうかがっていました。

男は破裂しそうなくらい顔を膨らませてこっちを睨んでいましたが、しばらくすると鼻から深く息を吐き、伝票を握りしめてレジの方に去って行きました。

裕福になり、余裕が生まれて振る舞いや発言を整える人がいる中、初対面の善良な人間に悪態をつくお金持ちも存在します。

根本的に人が変わることはない、そう思いました。でも、変わらないからこそ、他人を真似て行動や発言を整えていく必要があると思います。

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