お正月、ふるさとに帰った人も多いだろう。そこで、「そろそろこっちに帰ってきては」と言われた人もいかもしれない。

とくに都市部の近県にふるさとがある人は、言われそうだ。ただ、そのことを考えると仕事のことが気がかりだ、という人はいるだろう。地元に帰っても、仕事はなかったりすることは多い。実家で農業や商売を営んでいれば帰れるものの、そうではない人もいる。そもそも地元は住環境がよく、暮らしやすい場所であることは確かだ。

  • 新幹線通勤を検討する編

地元に根を下ろすとしても、とりあえずは都会で仕事をしなくてはならない。そんな人におすすめなのは、新幹線通勤である。

会社の制度を調べてみよう

まずはあなたの勤めている会社が、いくらまで通勤定期代を支給するか調べてみよう。会社によっては上限が決まっている場合もある。新幹線通勤禁止の場合もある。それでまずは判断してほしい。

たいてい、月5万円、10万円などと決まっているはずだ。なお、通勤定期代の非課税限度額は、15万円である。10万円が限度ならば東京駅までは東海道新幹線ならば三島、東北新幹線ならば小山、上越新幹線ならば本庄早稲田といった範囲から通勤が可能だ。非課税限度額いっぱいの15万円ならば、東京駅からは静岡、東北新幹線ならば新白河、上越新幹線ならば越後湯沢、北陸新幹線ならば上田といったところまで通勤可能になる。このあたりに実家がある人は、そこからの新幹線定期代を会社が負担してくれるなら、その制度に乗るという選択肢もありだ。

通勤に使えそうな新幹線は?

新幹線通勤の定期券「FREX」「新幹線エクセルパス」で利用できるのは、新幹線の自由席である。早朝の時間帯には、自由席主体の新幹線通勤のための列車が多く走っている。

たとえば東海道新幹線では、7時20分から9時00分まではおよそ10分に1本「ひかり」「こだま」が東京駅に到着する。東北新幹線では、那須塩原方面からの「なすの」が頻繁に東京駅に向かっている。博多へ向かう山陽新幹線でも、およそ15分に1本程度の割合で「こだま」が運行されている。こういった各駅停車タイプの新幹線を利用して新幹線通勤を行う。

補助が出る自治体も

新幹線通勤に補助を出す自治体もある。埼玉県熊谷市や栃木県那須塩原市、長野県佐久市、新潟県湯沢町などで行われている。この場合、会社から支給される通勤手当と実際の通勤定期代との差額を補助することが多い。地元の自治体がそういった制度を導入している場合、会社からの定期代に上乗せして、ということも考えてもいいかもしれない。

慣れ親しんだ地元。いい仕事ができる都会の職場。こういったものを持っている人は幸福な人である。しかし、その幸福はなかなか両立できない。もし両立させたいなら、新幹線通勤を利用してはいかがだろうか。

著者プロフィール: 小林拓矢


1979年山梨県甲府市生まれ。早稲田大学卒。フリーライター。大学在学時は鉄道研究会に在籍。鉄道、時事社会その他についてウェブや雑誌・ムックに執筆。単著『早大を出た僕が入った3つの企業は、すべてブラックでした』(講談社)。ニッポン鉄道旅行研究会『週末鉄道旅行』(宝島社新書)に共著者として参加。

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